擽怨─Reverse─#1-1
🕑 Added 2025-03-14 13:10:16 +0000 UTC
1. 憎きお前に心より怨念を込めて
私は私を見つめている。
カビの生えた鏡面に映る憎き私を見つめている。
私──。
嗚呼。私はお前が憎い。
私を縛り付ける神に伏す魂が憎い。
全てはお前のせいだ。
最愛にして最大の敵となろうあの子をこの世に産んだのも、何もかもがお前のせいだ。
こうして──くすんだ刃を我が首に突き刺さねばならぬのも、お前のせいだ。
一度で絶命出来ぬのも、生ぬるい血でぬるぬるとこの包丁が滑るのも、お前のせいだ。
神さえも手の届かぬ死の世界へ行かねばならぬのも、お前のせいだ。
鏡面が、私の血飛沫で埋まっていく。
血の向こうで、お前は私を見つめている。
私はお前を許さない。
底の無いこの怨念の大渦を抱き、私は私の世界へ旅立つ。
神の束縛無き霊界への旅立ちは、さぞや愉しいことだろう──。