【F/F】組織を裏切るということ
🕑 Added 2024-12-04 13:12:30 +0000 UTC
組織を裏切るということ
(F/F)
「許してくださいなんて言われてもね。許すかどうかは、私が決めることじゃないんだ」
真っ黒い革靴で、血の滲んだ頭を踏みつけながら"龍華"は言った。
「組織を裏切った罪は重い。それを分かっていて…愚行に走ったんだろう?」
龍華は、頭頂部の傷口をグリグリと抉る。
靴の下の女が呻く。
「"荒木"…」
龍華がその名を呼ぶと、金髪ポニーテールの女が
「はーい」と軽い返事をして前に出た。
金髪ポニーテールの女…荒木は握っていた銃で、龍華の靴の下の女の、その手の甲を撃ち抜いた。
女は短く悲鳴を上げ、冷たいコンクリートの床に血の混じった唾液を吐く。
荒木は続けて、もう片方の手の甲を、次にふくらはぎを、順に撃ち抜いた。
苦しみに悶える女を見て、荒木はケラケラ笑う。
「ねぇ。どう?お友達がこんな目に遭ってるの見てさぁ」
荒木は、壁に磔にされている女を見た。
「…あ。もう見えてないか!」
荒木は、磔の女の潰された両目を見てまた笑った。
「組織の罰において…許しっていうのは、死ぬことを許してもらえることだ」
龍華はタバコを咥えて火をつける。
「しばらくそこに、吊るしておけ。生きてたら…そうだな…もう一度同じことをしてやるといい」
龍華は、制裁された二人に背を向けるとサングラスを掛け、タバコの煙を吐き出した。
「いくぞ。荒木」
「はーい先輩」
175cmの長身・龍華の後ろを170cmの荒木が追う。
"龍華と荒木"を、その街で知らぬ者はいない。
街を牛耳る反社会的組織"赤愛会"。その大幹部の一人が龍華だ。
荒木はその妹分で、龍華の"拷問具"の一つでもある。
組織に楯突いたり、裏切ったりすれば、即座にこの二人が動く。
龍華と荒木に目をつけられた者は、徹底的に嬲られ、晒し者にされるのが末路であった。
龍華と荒木は、赤愛会の恐怖そのものだとさえ言われていた。
だから、街の人間たちもまさか…龍華と荒木が
これまで彼女らが裁いてきた裏切り者たちと同じ末路を辿ることになるとは思ってもいなかった。
◯
龍華と荒木の裏切りが発覚したのは、ある満月の夜だった。
組織からの急襲を受けた龍華と荒木は抵抗を続けたが、多勢に無勢…最後は捕縛されてしまった。
裏切り者は地下室に連行されるのが常だが、龍華と荒木が連れられたのは──ある華やかな場所であった。
磨き抜かれた大理石の床が張り巡らされ、巨大な水槽が円を描くようにぐるりと部屋を取り囲んでいる。
ここは組織の所有するとある高級SMクラブのVIPルーム。
通称"快虐の部屋"。
普段は、選ばれた客だけが出入りを許され、"究極のSMショー"が繰り広げられている場所だ。
だが、この部屋は時に──秘密のお仕置き部屋と化す。
柱を背に、龍華が縛り付けられている。長い腕をバンザイさせられ、手首を天井から伸びる鎖で括られ、両太ももをダクトテープで強引にまとめられている。
首から胸にかけてドラゴンのタトゥーが彫られた龍華の裸体は、怪しい青い照明に照らされて艶かしくヌルヌルと照り輝いていた。
龍華を挟むように、二人の女がハケで丁寧に丁寧に、"油"を塗りこんでいるのだ。
龍華の正面の柱には、荒木が龍華と同じように括られている。
女が、髑髏と薔薇のタトゥーの入った太ももに油を塗っている最中だ。
「まさかこんな日が来るとは…流石の私も思ってなかったよ…」
二人を縛っている柱の間に設置されたワインレッドのソファに腰掛けた女がそう言って、水タバコの煙を吐き出す。
黒く長い髪。首から全身に彫り込まれた呪文や十字のタトゥー。龍華以上の長身。
この女は、組織の大幹部にしてSMクラブのオーナー"花蓮(かれん)"。
龍華と荒木からすれば組織の上司にあたる人物だ。
「入ったばかりの若いのが裏切ることはよくあること。その度に、お前たちが消してきたり…私がここでのショーに使ってきたわけだけど…まさか…お前たちがここに縛られることになるとはね」
花蓮はねっとりとした高い声でそう言って立ち上がる。
花蓮が動くたび、周囲に緊張が走る。
この女は、究極のサディスト。狂気と称される荒木さえ、敵わないほどの──"ドS"だ。
「なにがいいかな。熱々の鉄棒で足ツボマッサージ?眼球炙り?それとも穴に虫入れる?あー…それか…自分の指飲む?」
花蓮の口から次々に出てくる悍ましい仕打ちは、脅しではない。全部、彼女がやってきたことだ。何度も何度も。
「姐さん。覚悟はできてる。全て試してもらっても構わない」
龍華は、顔を上げてドSの化身を見た。
「良いねぇ。流石は組織の暴力の象徴」
花蓮は大きな目をさらに大きくして、嬉しそうに龍華を見た。
「でもねぇ…単に痛みを与えるだけじゃあねぇ…」
花蓮が龍華の目の前までやってくる。
「ボスは私に、究極の苦しみを与えろ…と命じたんだ」
花蓮の細長い指が、ぴとりと龍華の油の塗られた白い皮膚に触れる。
長い爪が、ぞわりと胸の辺りを撫でた。
「むっ!?」
寒気が走り、鳥肌が立って、筋肉がぴくりと痙攣した。
悪寒が、龍華の全身を突き抜ける。
「なぁ龍華に荒木。お前らさぁ──」
花蓮の厚ぼったい唇が小さく動く。
「──コチョコチョ激ヨワだろ」
花蓮は目をギョロリと剥いて龍華を見て言うと、両手の爪を龍華の横っ腹に突き立てた。
「はっ!?」
予想だにしない発言に龍華が思わず声を上げる。
「なぁ?」
花蓮の細く長い指が、皮膚に爪を立てたままコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョー!!っと動き出した。
「はっ!?わっ!?なっ!?くひゃひゃひゃひゃひゃひゃっっ!!?な、なにをっ!?」
ゾワゾワ這い回るような気持ち悪い刺激に龍華は堪らず笑い出す。
ツルツルとした黒い爪の硬くて冷たい感触。
生指の先のスベスベした感触。
それらが折り重なって生じるくすぐったさに、龍華はクールで塗り固められている表情を崩してしまっている。
妹分の荒木がいる前で、無様な姿は晒せない。
龍華が歯を食いしばってくすぐったさを殺そうとしたその頃にはもう、花蓮の指は龍華の身体から離れていた。
「ほぉら。ね?」
花蓮はニコリと笑うと、カツンカツンと歩いて今度は荒木の方へ向かった。
荒木の顔が引き攣っているのが、龍華から見ても分かった。
「荒木。お前も…」
花蓮の長い腕が、すぅっと荒木の上半身に伸びる。
大きな手が、荒木のくびれた脇腹を掴み、グニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュグニュ!!っと親指で揉んだ。
「はぁぅっ!!?くっ!?うっっ!!?うくくくくくくくくくくくっっ!!?」
親指がぐりりと脇腹に捩じ込まれ、荒木の顔が歪む──が、荒木は唇を結んで笑いを堪えていた。
「ほら我慢しないの」
花蓮は脇腹を揉みながら、荒木の耳にふぅと甘い息を吹きかける。
「ひゃっ!?」
荒木の身体から力が抜ける。
その隙に、ドSは脇腹に深く親指を食い込ませて揉んだ。
「ひゃぅっ!?ひゃっ!?ひゃひゃひゃひゃひゃっっ!!?あはははははははははははは!!?」
荒木もあっけなく、笑わされた。
「ほら。二人とも…くすぐったがりやなんだよ。くすぐったがりやさんにするお仕置きってさぁ…"くすぐりの刑"以外にないよね」
花蓮は死神のように笑った。
「な、なにを言ってるんだ…くすぐりが…罰…?」
龍華にはまるで意味がわからない。
こんなものが、罰になるというのか。無理やりに笑わされる屈辱はあるが、組織を裏切った罰にしては随分と軽い。
「お前たちは知らないだろうね。このクラブのVIP向けのショーで一番人気なのが"くすぐり"なんだよ」
「くすぐりが…?」
「女を全裸に剥いて縛り付けてね、とにかくくすぐり続ける。途中でオイルやローションを塗って…コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョくすぐり続ける…」
花蓮が、細長い指を宙でコチョコチョとうねらせる。
「やめて!もう無理!助けて!ごめんなさい!…何を叫んでもコチョコチョはやめない。爪や指の腹を使って神経を震わせ…無理やりに笑わせ続ける。最後には、ひきつけを起こしたり…狂ったりする」
花蓮はカツカツと冷たい足音を立ててゆっくりと歩きながら、演説でもするように言った。
「コチョコチョって…お仕置きにピッタリだと思うだろう?これを早く罰に採用したくて準備を進めていたんだけど…まさか…最初に餌食となるのがお前たち二人になるとは」
花蓮はぎょろぎょろと目を動かして龍華と荒木を交互に見た。
「姐さん。考え直した方が良い。私たちを罰し、組織の威厳を保ちたいなら…これまで通りの罰を私に与えれば良い」
龍華は思う。
こんなふざけた罰で自分と荒木を苦しめることは出来ないと。
それに、そんなふざけた罰で辱められるのは御免だと。
「お前たちに罰を選べる権利があると?」
花蓮は冷酷に言い放つと、指を鳴らした。
分厚いドアが開いて、二人の女が入ってきた。背の高い、真っ黒いボンデージ姿の女だ。
このSMクラブを任されている女たち。
「くすぐり地獄にもプロはいる。あの二人がそうだよ」
くすぐりのプロ。龍華は聞いたことのない職業だ。
だが、くすぐりのプロと呼ばれた二人の女の手を見ると──どことなく皮膚がむず痒くなる。
「手始めにプロの二人に可愛がってもらおうか。それで少しは分かるだろう。コチョコチョ地獄の恐ろしさが」
花蓮はソファに腰を下ろし、水タバコを吸う。
くすぐりのプロの一人が荒木の元へ近づき、もう一人が龍華の元へ近づいてくる。
荒木の目は、完全に絶望の色に染まっている。
「花蓮姐さん…頼みがある」
龍華は、屈辱に唇を震わせながら姉貴分を見た。
花蓮は煙を吐き出しながら立ち上がった。
「今回の件は、私が荒木をそそのかしたんだ。だから、罰するなら私だけにしてくれ」
荒木は極度のくすぐったがりだ。
くすぐりの刑とやらがどれだけのものか分からないが、このドSの化身が罰に選ぶくらいだ…恐らく極度のくすぐったがりには毒だろう。
最悪…荒木は多分、死ぬ。
「な、何言ってるんだ先輩!二人でやったことでっ…むぐっ!?」
抗議する荒木の口を花蓮のデカい手が塞ぐ。
「へぇ。まだ立場が分かってないのかな龍華。
とは言え…私もボスもお前たちの結束力は評価しているんだ。そうだなぁ…じゃあこうしよっか」
花蓮が人差し指を突き立てる。
「龍華。お前には一分間くすぐられてもらう。一分間くすぐりに耐えれば…お望み通りお前だけをお仕置きする。ただし、もしも耐えられなかったら…荒木の弱点を徹底的にコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョこちょぐり殺すからねぇ」
花蓮が、片手の指をコチョコチョ動かして荒木をくすぐる真似をした。
「せ、先輩ぃっ…」
荒木が、花蓮の蠢く指を見て怯えながらも龍華の身を案じた。
「問題ない。荒木。私はお前の姉貴分だ。責任は全て取るのが筋だろう」
たった一分だ。
さっきの不意打ちは食らったが、来ると分かっているくすぐったさならなんとかなる。
龍華は、荒木ほどくすぐったがりではないのだから。
「決まったかな。じゃあ早速…始めよっか」
花蓮はソファに座り、タイマーを1分にセットした。
「やれ」
細長い指が、タイマーのスイッチを押した瞬間。
龍華の背後から白い手がにゅうっと伸びてきた。随分と長い指だ。
人差し指の爪が、腋の下の薄い皮膚に触れ、つぅーっとなぞり下ろす。
冷たくて鋭くて、気持ちの悪いこしょぐったさが
龍華の脇から肋にかけてのラインを襲った。
「ぐむっ!?」
龍華はその刺激に思わず、唇を歪めたがすぐに唇を固く結んだ。
この女はくすぐりのプロであると花蓮は言っていた。
プロ。その通りだ。
この女は、不愉快な刺激を送り込む触り方を心得ている。
肌の質感や爪の長さも、くすぐったい仕様に仕上げられている。
女の爪の先は、腋の下から肋にかけてのラインを繰り返しなぞり下ろしている。
塗り込まれた油のせいか、爪の先がよく滑る。
「くくっ!?んんんんっっ!!」
龍華は眉間にシワを寄せ、プルプルと肩を震わせる。
送り込まれてくるのは、大した刺激ではないが、
回数を重ねるに連れてじわじわと神経に染み込んでくる。
龍華の額に冷や汗が浮き出した。
龍華は、テーブルの上のタイマーを見た。
そして、絶句した。
タイマーはまだ、動いていない。
龍華の切長の目が驚きで丸くなったのを見た花蓮が口端を上げた。
「タイマーはまだ切ってないよ龍華。だってまだくすぐりは始まってないんだから。でもそろそろ…始めようか」
花蓮が1分にセットされたタイマーの開始スイッチを押した。
「はっ!?」
腋をなぞっていた手の全ての指がぴんと伸び、ふわりとボールを掴むように曲げられる。
爪の先が腋の下にガッと突き立てられた。
「はぅっ!!?」
来る。
めちゃくそくすぐったいのが来る。
堪えろ!
脳がそう命じ、龍華が歯を食いしばり腹筋を締めた直後──。
背後に控えるくすぐりのプロの女の唇が、龍華の耳元に近づいてきて…。
「コォチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ〜!!」
コチョコチョボイスと共に、細長い指がコチョコチョと踊り出し、くすぐったい爪の先が腋の下の皮膚を掻き回した。
「ぶっっっ!!?ぶっっひゃっ!?ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっっ!!?し、しまっっ…っっひゃひゃひゃひゃっっ!!?」
細長い指は、気持ち悪いくらい滑らかに蠢き、爪の先でカリカリコチョコチョと薄い皮膚を掻く。
押し殺そうとしても、押し殺せない。
龍華はくすぐりの渦に、完全に飲み込まれてしまった。
「あーあー。笑っちゃったねぇ。くすぐったいから仕方ないもんねぇ。でも…あれだけ格好つけてこんなにあっけないなんて…荒木をシゴク前にしばらくお仕置きしなきゃねぇ」
花蓮が、くすぐりに悶える龍華を眺めながら、うふふと笑って煙を吐く。
「くふふふははははははははははははははは!!?ま、待って!!くれっ!!っっははははははははははははは!!これはっっ!!これはぁぁっ!!」
なんとかして今のミスを取り消したい龍華は姉貴分に懇願するが、花蓮は取り合わない。
「みっともないよ龍華」
花蓮は目を細めて龍華を睨んだ。
背後のくすぐりのプロの女も、指を止めることはない。
女は、人差し指だけでコチョコチョと腋の下のミゾを引っ掻いたり、腋の窪んだところを無数の爪の先でモジョモジョモジョモジョと掻きむしったり…多様な指さばき爪さばきで龍華を無様に笑わせ続ける。
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!
「ぐひゃひゃひゃひゃっっ!!?あーっひゃひゃひゃひゃっっ!!?そんなっっ!?なんでっこんなっっ!?っっひひひひひひひひはははははは!!?」
細長い指が器用にバラバラに動き、その先端部である爪がコチョコチョと油まみれの腋の下を引っ掻くたび、龍華は意思に反して笑い声を上げさせられる。
荒木を守れなかったという屈辱と、そして──くすぐりによる強制笑わせの苦しみが龍華を蝕んでいく。
しつこくしつこく…爪の先が腋の下をなぞったり、掻いたりを繰り返す。
「あはは!?あはははははははははははははは!!?はっっははははははははははははははははははははははは!!?」
笑いたくはないのに、笑わないと、笑い声を発しないと頭がどうにかなりそうだった。
「もう少し苦しもうか龍華。これから可愛い妹分の荒木がどんな目に遭うのか…お前には教えておかないといけないからね」
花蓮が人差し指を立てると、くすぐりのプロの指が腋の下からずるずるっと腹部に下った。
「あぅっ!!?」
硬い爪の感触が、引き締まった腹筋部に突き立てられ、龍華は唇を歪める。
くすぐりのプロは、素早く関節を動かし、爪で腹筋部の表面をワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシッ!!
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!っと激しく貪るように掻きむしった。
「くぁっ!?はっ!?かはっっ!!?っっはははははははははははははははははははは!!かはっ!?けほっ!?こほっ!!くっっくるじっっ!?っっははははははは!!?」
薄い皮膚を貫通するような爪の鋭いくすぐったさは、龍華の体内から酸素を搾り取る。
くすぐった過ぎて、息を多量に吐き出してしまうのだ。
「酸欠の苦しみを味わうなら…やっぱりお腹でしょ?」
花蓮は水タバコを美味そうに吸いながら、龍華の引き締まった腹部をくすぐったそうな爪が這い回る様を見つめている。
ワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシッ!!
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!
「かはっ!!かはっ!!っっはははははははははははははははははははははははははははは!!?くひっ!!?くひはははははははははははははは!!」
硬くてツルツルした爪が腹部の表面を引っ掻くたび、筋肉が痙攣して、本当にお腹が捩れそうだった。
油でぬるっぬるの腹筋部の表面は滑りやすいのか、指はモジョモジョモジョモジョと蟲のように蠢いて爪で神経を嬲っていく。
「かっ!!?あっ!!?はっ!?かっ!!?くぁっ!?っっはははははははははははははははははははははははは!!かはっ!!っっははははははははははははははは!!?」
次から次へと奪われる酸素。龍華は、息を吸い込むのに必死だった。
「も、もういいっ!もう私の番でっ!!だからそれ以上はっっ…んんっ!!?」
荒木の口を、もう一人のくすぐりのプロである女が塞ぐ。
「しーっ。お前は後でたっぷりコチョコチョしてやるから今は先輩の可哀想な踊りを見てろ」
花蓮は立ち上がると、お腹コチョコチョ攻撃に悶絶している龍華に近づき、龍華の鼻をキュッと摘んだ。
「んぁっ!?んははははははははははははは!!?あはははははははははははははは!!?」
鼻を摘まれたことで、笑い声がふざけたような鼻声へと変貌する。
とてつもない辱めだった。
「ほらほらもっと笑わないと…コチョコチョの怖さが分からないだろ?」
花蓮は空いている手を脇に伸ばし、黒い爪の先でコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョと獰猛にくすぐった。
「んぁ"っっ!!?ああああああああははははははははははははははははははははははは!!?あははははははははは!!くはっ!!かはっ!!」
花蓮はくすぐりのプロではないはずなのだが、その細くて長い指から繰り出されたくすぐりには、とてつもないテクニックが込められていた。
「もう分かったかな?コチョコチョの怖さが。どうなんだ?龍華」
花蓮は鼻を摘んで腋をくすぐりながら、喉奥に溜め込んでいた水タバコの煙をふうと龍華に吹きかけた。
「ぶはっ!!?こほっ!?ぇほっ!?っっはっ!?はははははははははは!?はっっ!!!けほっ!!けほっ!!っっはははははは!!?」
煙にむせ返りながらさらにくすぐったさにも襲われ、龍華は喉が捩れそうだった。
「ごほっ!!かはっ!!?はっっははははははははははははははははははははは!!かはは!?はっっはははははははははははははは!!」
終わらない。
この地獄が終わる気配などない。
本当にこのまま、命耐えるまでくすぐられ続けるのか。
それとも、生命を維持させられたままこのコチョコチョに精神を蝕まれ続けて狂わされるのか。
叫びたくなった。
けど、自らの意思で叫ぶなど許されない。許されているのは、笑うことだけ。
龍華の目から、苦しみと悔しさの涙が滲んだ時、ようやく龍華はくすぐりから解放された。
汗が皮膚に塗ったくられた油に弾かれ、つるつると肌を滑ってポタポタと流れ落ちる。
「はぁはぁはぁっ!!けほっ!!こほっ!!」
今になって、くすぐりなんかに身を悶えさせていた情けなさと妹分を守れなかったことの不甲斐なさに苛まれた。
メンツも威厳も丸潰れだ。
たかだか、コチョコチョの刑で。
「それじゃあ約束通り…荒木をくすぐり地獄の刑に処そうか」
花蓮が荒木の方を振り向いた。
龍華は我に帰る。
正面にいる荒木の目が、怯えている。
もう一人のくすぐりのプロが、たっぷりと油を塗り込んだ指を順に折りたたみ、親指だけを突き立てた。
「どうやら荒木は…マッサージのようなモミ系が弱いと…見抜かれたようだねぇ」
花蓮はクスクス笑った。
くすぐりのプロの女が、荒木のくびれた腰の真下…骨盤と太ももの間のクボミに親指をぎゅうぅっと押し込んだ。
「くぁっ!?あっ!!?あっっ!!?ああああああああああっっ!!?」
荒木の目がぎょろりと剥かれ、身体に染み込む暴力的なくすぐったさを排出するためか、舌を出している。
嫌だ嫌だと言わんばかりに、首を横に振っている。
「お仕置き開始」
花蓮が指を鳴らすと、親指がグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ!!っと骨盤と太ももの間のツボをえぐるようにこしょぐった。
「あっ!!?あ"っ!!?ああああああああああああああああああああああああああああっっ!!?ああああああああああああああああああああっっ!!?ちょっ!?あっ!?無理っ!?いやぁぁぁぁぁああああ!!!」
それはもはや笑い声というよりは断末魔のような叫びだった。
柱にびたんびたんと荒木の背面がぶつかり、彼女の小麦色がかった肉体が激しく震え上がっている。
下半身からは完全に力が抜け、吊るされていなければ荒木はとっくに崩れ落ちている。
プロの女の親指がズブズブと押し込まれ、骨盤深くに食い込んでいく。
死の指圧が、荒木の骨盤の奥にある神経の溜まり──ツボをえぐり、ほぐす。
グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ!!!
「あへぇぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへっっ!!?へっっへへへへへはははははははははははははははは!!?」
くすぐりのプロの親指は必要最低限の動きでグチュグチュと骨盤の奥のツボを混ぜるように、時にいじくり回すように刺激する。
そして、親指によるくすぐり指圧に加え、荒木が横っ腹を、他の指の爪でコチョコチョコチョコチョと引っ掻かれた時──。
「ああああああああああああああああっっ!!?ダメダメダメっっ!!無理無理無理無理ぃぃっっ!!!んぉぉぉおおおおおおおっっ!!?」
荒木の膝がガタガタと笑い、ついには失禁した。
生温かい尿が太ももを伝って床に流れ落ちる。
それでも、ツボへの指圧と横っ腹への爪くすぐりは止まらない。
グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ!!!
カリカリ!コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!
「くっっははははははははははははははははははははははははははは!!?あーっっははははははははは!!?うへへへへへへへへっ!!?」
「あらあら。お漏らしして良いなんて言ってないよねぇ?ちょっとお仕置きが必要かな」
花蓮は自分の手指にサッと油を塗り込み、器用に指の腹を荒木の肋骨にはめ込み、ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリっ!!っと肋の隙間の神経をほぐしくすぐった。
「あはっ!?はっっ!!!ヤダヤダヤダぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!?あはは!?あははははははははははははははははははははは!!?」
荒木が必死の形相で首を振り、暴れるが、花蓮の指はしっかりと肋の隙間に食い込んだままゴリゴリゴリュゴリュと神経をいじめている。
「お漏らししてごめんなさいは?」
花蓮は舌舐めずりをしながら、ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ!!!っと肋の神経を嬲る。
「おほほほほ!!?おほははははははははははははははははははははははははははははははは!!?ごっっごめんなざぃっ!!ごめんなさぃぃぃぃっっ!!いっっひひひひひひいっっひひひひひひははははははは!!?」
これまで散々、他人にごめんなさいを言わせてきた荒木が、今や無理やりそれを言わされている。
「笑いながら謝罪してんじゃないよ。舐めてんの?」
花蓮は荒木の背後に回って、そのデカい手で鼻と口をいっぺんに塞いで腋を爪でくすぐった。
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!
「んむ"っ!!?んむむむむむむむむむぅぅっっ!!?んぉぉぉぉおおおおおおおお!!?おおおおおおおおっっ!!?」
荒木の目からどろどろと涙が溢れ出し、耳が真っ赤に染まる。
顔に、乱れた金の髪がへばりついている。
「あ、荒木っ!!」
コチョコチョで殺されてゆく妹分を、龍華は黙って見てはいられない。
「姐さんっ!!も、もっ…もう一度だけっっ!!もう一度だけチャンスをくれっ!!」
龍華は泣きそうになりながら姉貴分に懇願する。
「いいんだな?次、失敗したら…お前も速攻くすぐり殺すよ?」
花蓮は荒木の呼吸口を塞いで腋を爪でコチョコチョしながら言った。
龍華は頷いた。
「だったらすぐに始めよう」
花蓮が荒木を捨てて龍華の方へやってくる。
「持ち上げろ」
花蓮が二人の女スタッフに命じると、女スタッフは龍華のダクトテープで束ねられた長い脚を持ち上げた。
「瞬殺してやるよ」
花蓮はとろりと手のひらにローションを垂らすと、それを──
──龍華のデカい足の裏にべちゃりと塗りつけた。
「へっ!?」
予想だにしなかった部位をターゲットにされていることを知った龍華はギョッとした。
「はい。コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ〜」
子をあやすようなコチョコチョボイスと共に、花蓮のくすぐったぁい黒い爪がゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!っと龍華の足裏の表皮を掻きむしった。
「ひゃっ!?ちょっっ!!?足っっ!!?いやぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!!?足はっ!!?足はダメェぇぇ!!!あああああああああああ!!?」
覚悟し終わっていない足裏への刺激に、龍華は1秒たりとも我慢できずに無様な声を上げた。
長い足指をくねくねさせ、シワの寄る足裏に、悪魔の黒い爪が這い回り、とんでもないくすぐったさを炸裂させていく。
「はい瞬殺。じゃあ今度こそ約束通りに…荒木にはコチョコチョ地獄で死んでもらおうか。お前にはその様子を見ていてもらうよ龍華。もちろん…笑いながらね」
花蓮は、龍華の土踏まずに黒い爪の先を当て、ゾリゾリゾリゾリゾリゾリゾリゾリゾリゾリゾリゾリッと削りくすぐった。
「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃっっ!!?ぎゃぁぁぁぁぁああああああははははははははははははは!!?やめっ!?あっ!!?荒木はぁぁぁっっ!!っっははははははははは!!?」
くすぐったさで頭の中がめちゃくちゃになる。
ぼんやりとしてきた視界に、荒木が拘束具から解放され、べちゃりと床に落とされる様子が映り込んだ。
荒木は無理やりに四つん這いにさせられたかと思うと、背の高い巨乳の女─恐らくこのクラブのスタッフ─に両腕を掴まれ、そのままデカいおっぱいに顔を埋められた。
「むーっ!!?」
荒木は暴れるが、さらに二人が駆けつけ、無理やり脚を押さえつけて尻を突き出す格好を強制させた。
くすぐりのプロが、突き出された尻にたっぷりとローションをぶっかける。
そしてそのヌルヌルになった尻の表面に爪を突き立てた。
「むぅぅぅっっ!!?」
おっぱいの中から、荒木の呻き声が漏れる。
くすぐりのプロの女は、二、三度、尻を爪で撫で回すと…
ワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャ!!!っと激しく尻の表面を爪で掻き回した。
「んむ"っっ!!?んむぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっ!!?んぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおっ!!?」
荒木の裏返った悲痛な悲鳴が、響いた。
腰がガクガクびくびく震えている。
暴れる尻にぴとりと吸い付いた爪がワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャ!!!っと神経を嬲っている。
「おおおおおおっっ!!?おほほほほっ!!?ふるじっ!?くるじぃぃぃぃっ!!おおおおおおおおほほほほほほほほほっっっ!!?」
間の抜けたような…それでいて苦しみたっぷりの笑い声が龍華の鼓膜を震わせる。
龍華は見た。
くすぐりのプロの女が、人差し指の爪の先にローションを塗り込み、その爪の先で荒木の尻の割れ目の根本の一点を…
カリカリカリカリカリカリカリカリ!!
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!っと引っ掻き殺すのを。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああ!!?おっ!?お"っ!!?おっ!!?あおおおおおおおおっっ!!?」
耳を塞ぎたくなるような声が、空間を揺らす。
絶対に他者に触れられてはならないポイント…そこを荒木は今、窒息状態で触られ──いや、コチョコチョくすぐり引っ掻かれている。
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ!!
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!
「おおおおおおおおっ!!?おほほほほっ!?ゆるひへっっ!!ゆるひへぇぇぇぇ!!!ごめんなさいごめんなさぃぃぃぃぃぃぃ!!」
尿を撒き散らしながら、大量の唾液と涙を顔を埋められているオッパイに伝わせながら、荒木は叫び続けた。
動かなくなるまで。
「はははははははははは!!?へへへへへへ!!?いひひひひひひ!!!あぁっ!!そんなぁぁぁっっ!!んぁっ!?」
龍華は足の裏を花蓮の黒い爪に徹底的にシゴかれながら、荒木がくすぐり殺される様を見届けさせられた。
そんな龍華の視界が突然、真っ黒になる。
何かを被せられた。
息を吸おうとすれば、分厚い生地が口と鼻にへばりつき、酸素の代わりに強いゴムの臭いが鼻腔に飛び込んでくる。
息ができない。
「んんっ!!?」
耳の穴だけにスースーと空気を感じる。
「さて。次はお前の番だよ龍華」
花蓮のねっとりとした声がする。
スベスベした手に、頭を撫でられる。
「んぁっ!?あっ!?」
両耳に、柔らかくて湿ったもの──唇の感触がした。
「言い残すことは…ないね?」
花蓮の声がした。
そして。
両耳の耳元で、すぅっと息を吸い込む音がして…
「「コォチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ〜!!!」」
両サイドから、コチョコチョボイスが注入され、
無数の長い爪の先が、ツルツルのゴムマスクに覆われた顔の表面を撫で回した。
「おっ!!?んぉっっ!!?おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!?おほほほ!?おほほほほほほほほほほほっ!!?」
本来は大悶絶するようなこそばゆさではないのに、コチョコチョボイスとゴムマスクの異様なツルツルさがくすぐったさを何百倍にも引き上げている。
顔中に、無数のコチョコチョ蟲が這い回っているような異様な感覚に、龍華は狂いそうになる。
「「コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ〜!!!」」
「おおおおおほほほほほほほほほっっ!!?ほへへ!?ほへへへへへへへっっ!!?ほぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああっっ!!?」
顔中の神経をじっくり炙るようにくすぐり続けられた龍華は、そのくすぐったさに精神を完全に喰らい尽くされ、最後に盛大に失禁して気を失った。
龍華と荒木がここに連れ込まれ、わずか一時間。
部屋には、尻を突き出して顔をおっぱいに埋められたまま動かぬ身体が床に一つ。
そして、天井から吊るされ真っ黒いツルツルのゴムマスクに顔を奪われた動かぬ身体が一つ…残っていたのだった。