【F/F】エージェントXの失踪
🕑 Added 2024-11-22 11:15:21 +0000 UTC
エージェントXの失踪
(F/F)
2024年11月20日。
エージェントXとの通信が途絶え、位置情報追跡システムもダウン。
これは、我が社がエージェントXに仕事を依頼して5年で初めてのことだった。
◯
0時を報せるベルが鳴ったので、私は薬液のたっぷり入った壺から両手を抜いた。
両手を覆う透明のヌルヌル薬液を清潔なタオルで拭き取り、すぐにクリームを手指爪に塗る。その際に、手指を軽くマッサージする。
それから、特別なオイルを爪に塗り込んで軽く爪の生え際のところを揉む。
最後に両手を蒸気に晒すととっておきの"拷問具"が完成する。
今回も上手く伸びた爪が、つるんつるんの艶々に仕上がっている。
細く長い指をワキッワキッと折り曲げ、伸ばし、折り曲げ、伸ばす。
いつも通りの良い感覚だった。
表皮の艶も良い。
皮膚に潤いが完全に閉じ込められ、陶器のようにツルツルだ。
これで今宵も、鳴かせることができる。
私がくすぐりで人間を破壊できると知ったのは、幼少の頃だった。
女にしては背の高い私は生まれつき、他人より少し手がデカい。指も長い。
近所に、そんな私を馬鹿にしてきた女たちがいた。
ある時私は思った。
傷の残らない方法で、その女たちを苦しめる方法はないかと。
私が他人に触れると、よくくすぐったがられることがあった。
お前の手はくすぐったいとよくそう言われたものだった。
そんな私の手が、爪が、指が、本当に相手をコチョコチョくすぐれば──相手はのたうちまわりすぐに許しをこう。
その頃の私にとってコチョコチョはある種の武器だった。
だが、所詮はじゃれあい。ある程度くすぐれば私もくすぐりを止めていた。
でも。ずっとずーっとくすぐりを続けたら苦しいんじゃないのか。
そんなふうに思ったことがあった。
私を嫌う女への復讐は、それを試すのにうってつけだった。
リーダー格の女を空き家に連れ込み、縛り上げてコチョコチョコチョコチョくすぐってやった。
そいつはくすぐったがり屋さんだったらしく、すぐに笑い転げた。
やめろ。とか、許さない。とか、殺すぞ。とか、とにかく罵詈雑言を浴びせて来た。
だから私はそいつをくすぐり続けた。
そいつが、顔を真っ赤にして泣いても、喚いても、さらに押さえつけてコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョくすぐった。
そいつが目を血走らせても、鼻水を垂らしても、唾液を垂れ流しても、コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョこそばし倒してやった。
その間そいつは、なんでも白状したし、懇願もして来た。
それでもやっぱり私は、コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョこちょぐり続けた。
三度失禁を繰り返させたのち、解放してやった。
その頃にはもう、そいつは呂律が回っておらず、完全に力の抜けた腰はひくひく震えていた。
その経験があったから今がある。
私はくすぐりを最高の武器であると認識し、くすぐりのためならなんでもやることにした。
相手をくすぐったく感じさせる手つきを学ぶためにマッサージや指圧を学び、解剖学の知識もつけた。人体実験でどの筋肉が一番敏感かも調べた。
また、至高のくすぐりを与えるため、手指爪の手入れにも力を入れた。
幸い私は生まれつき手が大きく指が長く、手先が器用だ。
これは大きなアドバンテージである。
だが、それだけではいけない。
爪の長さ、厚み、艶もくすぐりに適したものに仕上げねばならない。
私はとにかく、完璧を追い求めた。
こうして…私は指先で人を殺すことが出来るくすぐり拷問官として不動の地位を獲得したのだ。
ドアが開く。
「準備が整った。よろしくね?」
雇い主の女がそう告げたので、私はゆっくりと立ち上がった。
相変わらず偉そうな口調だが、私もあの女には中々逆らえない。
◯
エージェントXは産業スパイ界の頂点とも言える存在だ。
あらゆる環境に溶け込み、弱みを握るプロ。企業がエージェントXの存在に気づいた時にはもう──その企業はフニャフニャにされている。
エージェントXは、大企業も恐れる一流のスパイなのだ。
──そんなことを聞いていたものだから、どんなに恐ろしい見た目をした女なのかと期待していたが…見た目はなんてことはない…モデルなんかにいそうな女だった。
サラサラとした長い黒髪は光に照らされほんのりと赤色が浮かび上がっている。
肌は白くて艶々。手脚はすらりと長くておまけに小顔。
スパイというやつはどうしてどいつもこいつもこんな風に美女なのだろうか。
だが。
その分、無様だ。
この窓ひとつ無い鉄壁の拷問部屋の中央──"服従の台"に全裸で拘束されている様は。
服従の台は、四つん這いの格好を強制させる拘束台。
そこに、Xは両手首と足首を枷に嵌められ固定されている。
この拘束台に拘束されるものが美麗であればあるほどに、無様な拘束姿を晒す羽目になる。
「エージェントX。貴女を雇ったのがどこの誰なのか…まずはそこから教えてもらおうかしら?」
私の依頼主の女がおよそこんな空間には似合わない上品なソファに腰掛けながら問う。
エージェントXは黙っている。
まるで、聞こえていないかのようだ。
「まともに話せるうちに話しておくことをおすすめするわ。あとになってからじゃ…例え貴女が自白したくたって…私たちには貴女がなんと言っているのか分からないだろうから」
女はそう忠告し、葉巻を咥えた。
Xはなおも無言のままだ。
葉巻に火をつけ、女が私の方を見た。
雇われている間、私は依頼主の手となり足となる。私自身が拷問具となる。
「ねぇスパイさん。突然だけど…」
依頼主の女が私を見ながらXに話しかけた。
「…なんでも話したくなるほどずっとずっと…身体をくすぐられたことはある?」
女の奇妙な問いかけに、Xは
耳をぴくりと動かした。
聞かれたことのない質問に戸惑っているのだろう。
「くすぐったいって刺激は大変なものよ?なぜなら決して慣れることがないから。そりゃあ…下手くそにくすぐられたらものの数分で慣れちゃうけどね。ホンモノにくすぐられたら…死ぬまでその刺激に耐性がつくことはない」
女はふうと煙を吐いて、不敵に笑う。
「耐性がつかないまま…コチョコチョコチョコチョ…コチョコチョコチョコチョ…コーチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ…くすぐり続けられたら…なんでも話しちゃうと思わない?」
女は細く長い指を踊らせながら、おどけたように言った。
これは、事実だ。
Xは俯いたまま、何も言わない。
くだらない話だとでも思っているのだろう。
依頼主の女がもう一度、私を見る。
それを合図に私は両手をとんっとエージェントXのスベスベの背中に置いた。
私の仕上げられた爪と指先とが背中の皮膚に触れ、Xの腰がほんの僅かぴくりと動く。
「知らないなら…教えてあげましょうね」
依頼主が人差し指を立てる。
"やれ"の合図だ。
私は、右手の人差し指を伸ばし、その爪の先でXの背筋をつぅーっとなぞり下ろした。
私の特上の爪の先が、背面の真ん中──背筋の神経を震わせる。
Xはほんの僅かだけ腰をひくりと動かしたが、すぐにその動きを止めた。
しかし。
皮膚には鳥肌が立っている。
耳も少し赤くなっていた。
確認するまでもなかったが、やはりこの女、エージェントXとやらは──
──超こちょばがり屋さんだ。
私の、細長いくすぐり指がうずく。
私は右手の5指を伸ばし、爪の先で背面をゾワゾワと撫で下ろした。
Xは背中を小さく反らせ、拳を握りしめる。
必死に、くすぐったさと戦っているのだ。
こういうのはプライドが高い。
拷問に屈すること自体に抵抗を持っている。その拷問が、
くすぐり地獄になれば尚更…屈服など選ばないだろう。
だが、それも時間の問題。私のくすぐり指によるくすぐり地獄拷問にかかれば…この女も確実に果てる。
私は背面の質感を味わうようにツルツルとした爪の先っちょを滑らせる。
エージェントXは耳を真っ赤にし、ぷるぷると震えて俯いている。
指先の黒いネイルが、皮膚に食い込んでいる。
くすぐったいのだろう。
くすぐったくないはずがない。
私の指は、どんな者も笑わせるコチョコチョ指。
どんな皮膚も肉も無視して神経を脅かせるくすぐり指。
肩甲骨の辺りから腰にかけてのラインを爪でゾワゾワと撫で下ろしては、また肩甲骨のあたりから爪をはわせる…これを繰り返す。
「くくっ!!!くくくくくくくっ…」
皮膚に僅か汗が滲み始めた頃、ついにエージェントXから声が漏れ始めた。
ふーふーと乱れた鼻息が私の鼓膜をくすぐる。
「貴女もスパイとしてのメンツがある。醜態を晒すのは望んでいないはず。口を割れば…悪いようにはしないわ。
だから教えて…貴女を雇った人のこと」
依頼主は、エージェントXのきっと欠壊寸前の顔を覗き込む。
エージェントは、まだ黙っている。
この女はまだ、分かっていないのだろう。
これが、くすぐり、だと思っている。
「一言も話さないつもりかしら?少しくらい声を…聞かせて?」
依頼主が首を傾げると、私は
エージェントXの表皮に爪を立てて、ずるるるっと腋に両手を滑らせた。
Xは肩をすくめるようにして、尻を突き上げた。
皮膚がいくら汗ばんでいても
、様々な薬液とオイルでコーティングされた私の指と爪は汗を弾くため、滑りはいつでも極上だ。
私の両手指が腋に近づくと、
エージェントXの背中が反り
、腋が閉じられる。が…。
拘束具のせいで、完全には閉じられない。
私の指と爪は、既に腋の表皮の奥底──神経を捉えている。
エージェントXの全身に緊張が走っているのが分かる。足指のスジから表情筋まで完全に固まっている。
誰だってそうなる。
そして大体の女が──
──硬直からの脱力を試す。
身体を固めているよりも、リラックスさせた方が、くすぐりに耐えられるのではないかという愚かな考えを試す。
エージェントXも、同じだった。
その瞬間を私は逃さない。
こっちょ…こっちょ…
細くて長い指をしならせるように、うにょりうにょりと踊らせて爪の先で腋をじっとりと掻く。
「ぶくっっ!!?くっっ…!!」
びくんっとXのしなやかな身体が痙攣し、再び全身に緊張が走る。
頭に血が昇っていくのが見ていてわかる。
くすぐったさを押し殺すことに、全神経を集中させているのだ。
こっちょ…こっちょ…
「くぷぷっ!!?ぷっ!!!ぷふふふふふふふっっ!!?くっっ!!!」
細くて長い指を伸ばしたり、また丸めて拳を握りしめたりを繰り返しながら、なんとかこちょばゆさを外へ逃がそうとしている。
無駄だ。
触手状のようにうねることが出来る私の指と、くすぐり専用の爪の先によるくすぐりは神経に染み渡っていくのだから。
「なぁんだ良い声出すのね。そのまま話しちゃって良いのよ?」
依頼主は葉巻の煙をふうとXの顔に吹きかける。
「くくくくくっ!!!んぅぅっっっ!!くっ!!くっ!!ぷくくくくくくっ!!!ごほっ!!こほっ!!」
Xは鬱陶しそうに依頼主から顔を逸らした。
「残念。じゃあ…」
依頼主が葉巻をシガートレイに置く。
「…くすぐってあげて」
依頼主が低い声で告げた瞬間…
「はっ!?」
エージェントXが驚きのあまり声を漏らした。
そう。
まだ、くすぐりは始まっていない。
私は、素早く手を引っ込め、
傍に置いてある壺に満たされたヌルヌル液に指の先っちょを素早く浸した。
親指。人差し指。中指。薬指。小指の先っちょがぬるりと照り輝く。
ヌルヌルになった指先を、腋の下の特に窪んだところに滑らせ──
──コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョー!!っと掻き回してやる。
「むぐぅっ!!?ぶっっ!!?」
エージェントの膨らんだ頬が萎んで、空気が抜けて──。
「くっっふふふふふふふふひひひひひひひっっ!!?」
悔しげに表情が歪んで──。
「あっははははははははははは!!!くっ!!?くふふふひひひひははははははははははははははははは!!!なっ!?なっっ!!?なぁぁっはははははははははははははははははははは!!?」
整い過ぎている顔が崩れ、その色が真っ赤に染まり上がる。
四つん這いのエージェントXのボディが前後に激しく揺れるが、私の指先は腋に吸い付かせているため狙いを外すことはない。
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ…しなやかな指で、ヌルヌルの指先で腋を細かく細かくねっちょりと苛める。
「ふはははははははははははははははははっ!!くっ!!くっっ!!!くくくくくっ!!?くひゃっ!!?ひゃっひゃひゃははははははははははは!!!」
滑らかに指を折り曲げ、伸ばし、指先でこちょりんっと腋を掻くと、エージェントXは細い身体をぐねぐね暴れさせる。
背面の肩甲骨が浮き出たり沈んだりを繰り返している。
それでも、まだ我慢しようとしている。
これがくすぐりだ、と刻んでやる。
私は、腋の皮膚に爪を立てて、モジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョーっと細かく小さな動きでくすぐってやった。
「ぶひゃっ!!?ふひょひょひょひょひょっ!!?おひょひょひょひょっっ!!?くそっ!?っっひひひひひひははははははははははははははははははははははは!!!」
本人の意図していない、望んでいない下品な笑い声が喉から漏れる。
エージェントは何度か、歯を食いしばって声を押し殺そうとしたが、そうはさせない。
私は、私の極上のくすぐり爪の感触を刻むように、カリカリモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョモジョと執拗に腋の表面を引っ掻き回す。
「ふぎひひひひひひひっ!!ふはっ!!ははははははははりはははははははははははははははははは!!けほっ!!けほっ!!かはっ!!っっはははははははははは!!」
本格的なくすぐりが始まって一分ほど…ようやくエージェントXの呼吸が乱れ始める。
息を吸っても吸っても、私の爪が腋をモジョモジョと引っ掻くたびに呼気は吐き出される。
そしてそろそろ…体内に蓄積してきたこそばゆさに堪えきれなくなり──
「んぁぁああ"っ!!」
──と、こんなふうに唸る。
そうすることでくすぐったさから少しでも気を逸らそうとしているのだが…
無駄なのだ。
私は、モジョモジョをやめて爪の先でゾワゾワと腋の下全面をフェザータッチで撫で回す。
「んぁぁあぅっ!!?くぅっ!?」
こうしてゾクゾクしたくすぐったさをアクセントとして使用することで、腋に浴びせていた刺激をリセットすることが出来る。
そして…
私はヌルヌルの指の腹で腋の下の神経をキュッと捕らえ、クチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ〜っと腋をほぐすように擦りくすぐる。
「あぁ"っ!!?んぁぁあははははははははははははははははははははははははは!!かはっ!!こほっ!!?っっははははははははははははははははははははは!!?」
エージェントXは赤みがかった黒髪を乱して頭を振る。
咳き込むたび、くびれた腰がひくつく。
「随分と苦しそうねぇ。熟練のスパイさんなのに…口も開けっぱなしにしてるからヨダレだらだらよ?」
依頼主の女が屈み込んで、
エージェントXの笑いに歪んだ口から垂れる唾液を人差し指ですくい取り、それをXの
鼻に塗りつけた。
「おぇっ!!げほっ!!?」
エージェントXは自身の唾液のニオイで咽せ、さらに呼吸を乱される。
そこへ私は追い打ちをかける。
ぬるぬる指腹による腋クチュクチュで。
クチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュっ!!
「むぁっ!?っっはっ!?かはっ!?おぇっ!!かはっ!!こほっ!?っっはははははははははははははははははははははははははははは!!ぇぇっ!?っっへははははははは!!」
咽せながら、さらに体内の酸素を奪われるエージェントX。
数分前は冷静さに満ちていたクールビューティな瞳も、今や苦しげに大きく剥かれている。
苦しさを隠せなくなってからが、本番だ。
私の指腹がクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ!!っと腋の神経をさらに擦る。
「はっ!!はっははははははははははははははははははははははははは!!かはっ!!かはっ!!!おぇっ!!っっははははははははははははははははははははははは!!!」
足指まで曲げ、尻を振りながらエージェントXは無様に笑い声を吐き出している。
依頼主の女が手を挙げたので、私はそこで一度指を止めた。
スッと引っ込む私の手。それがさっきまで嬲っていた腋には、爪の痕や擦り痕がピンク色になって刻まれている。
「はぁっ!!はぁっ!!はぁっ!!!」
エージェントXは長い髪を垂れ、身体が震えるほど咳き込み、何度も唾を飲み込んでいる。
「さて。今のが世にも恐ろしいコチョコチョ地獄拷問だけれど…どう?白状する気にはなったかしら」
依頼主の女は、エージェントXの乱れた黒い髪を指でときながら問いかけた。
厚みのある手のひら。長い指。
この女の指も──凶器だ。
「はぁはぁっ…!!んんっ…!!くっ…!!」
エージェントXは首を振って依頼主の手を振り解き、女をギロリと睨みつけた。
「あらあら?まーだ状況が分かってないみたいね。それとも…もう忘れちゃった?コチョコチョの怖さ…」
依頼主の女の目が、じろりとエージェントの固定された足のその裏を見つめた。
次はそこをやれ。
そういう意味だ。
私は特殊なオイルをエージェントXの足の裏にサッと塗り込んだ。
それだけでもエージェントXはぴくりと肩を震わせていた。
私の、手のひらや指の腹が足裏の表皮を擦ったのがくすぐったかったのだろう。
ヌルヌルテカテカに仕上がったほんのりオレンジの浮かぶ足裏に私は人差し指の爪を近づける。
コチョリッ
爪の先で土踏まずを引っ掻くと、エージェントの足指がキュッと丸まり、黒いペディキュアが見えた。
コチョリッ!
「んんっっ!!?」
鬱陶しそうに声を漏らす。
コチョコチョコチョコチョ…
今度は人差し指の爪で繰り返し引っ掻きコチョコチョしてみる。
「くふっ!?ふーっふーっ!!ふくくくくくくっ!!?」
引き締まった腹が震えている。
これで我慢できているつもりなのだろう。
準備は整った。現実を教えてやる時だ。
私は片手でXのつま先──足指を掴み無理やり足裏をグンと反らせ、張り詰めた足裏の表面にもう片方の手の爪をガッと突き立てる。
そして。
ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!っと思い切り削るようにくすぐり暴れさせた。
「ぶっっ!!?あっっ!!!っっっぶっっひゃひゃはははははははははははは!!?っっははははははははははははははははははははははははははははは!!!」
みっともなくて力の抜けたような笑い声が、緊張しきった肉体から漏れていく。
エージェントは、細長い指をわなわなと痙攣させるように震わせている。
硬くツルツルした爪で、足の裏のヌルヌルした柔らかな表皮を削るように、掻いていく。
ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!!
「はっっははははははははははははははははははははははははははははははは!!?んぁぁぁあああああ"っっ!!!っっはははははははははははははははははははははは!!!かはっ!!」
長い足指がぐねぐねとうねっている。
足裏の色が赤く変色し始める。
ここからだ本番だ。
私は土踏まずに爪を当て、そのまま僅か下方に爪を滑らせる。
土踏まずとカカトのキワ。その境界点にあるくすぐったい神経の塊を爪の先で…細かな動きで…
カリカリカリカリ!!
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョっとほじってやる。
「ぶぎゃっっ!!?あっっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!?なっっ!!?こっっ!!?れっっ!?っっはははははははははーっ!!?」
エージェントXは、ぐちゃぐちゃに顔を歪めており、細まった目からは涙がどろりどろりと溢れ出ている。
ペシペシと手で拘束台を叩いている。
この土踏まずとカカトのキワに眠る神経の塊は、細かくカリカリほじってやることで灼けるようなくすぐったさを与えることが出来る。
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ!!
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!
「ひぃぃはははははははははははははははははははははは!!けほっ!!はっっ!!はっっははははははははははははははははははははははははははははははははは!!?」
土踏まずとカカトのキワの神経の塊を親指の爪でほじるとさらにじゅくじゅくと濃厚なくすぐったさを与えられる。
エージェントXは唾液と共に悔しさの滲んだ笑い叫び声を拘束台に吐き出した。
「コチョコチョの怖さ…思い出したわよね?」
依頼主がエージェントXの黒い髪を掴んで無理やりに顔を上げさせる。
エージェントXの顔は涙や唾液なんかでぐしゅぐしゅに崩れている。
こんなになってもなお、エージェントXは口を割るつもりがないらしく、答える代わりに依頼主を再度睨んだ。
私は、真っ赤っかになった足裏を捨て、エージェントXの丸い尻に特製オイルをぶっかけ、つるりと撫でるようにオイルを塗り込んだ。
エージェントXの吐息が震えている。
「ほぉら…貴女がイケナイ子だから…ヤバいのが始まっちゃうわ?」
依頼主が眉を上げる。
私は、ヌルヌルの爪でヌルヌルの尻の表面をゾワリっと引っ掻いた。
「ぬぁっ!?」
エージェントXの身体が震え上がり、ぶわっと鳥肌が立つ。鳥肌の立ち方がこれまでで最も激しい。
当然だ。ここをやられて正気を保っていられる者はいないのだから。
私は、全ての指先、爪の先でお尻をゾワゾワと撫で回してやる。
ゾクゾクとした寒気のようなくすぐったさを尻から脳に送ってやる。
「はぁっ!!はぁっ!!んぁぁぁぁあああっっ!!!」
このゾクゾクとしたくすぐったさにもどかさを感じているのだろう…エージェントXは時折、唸りながらケツを突き上げたりした。
コチョコチョっ!
「ひゃっ!!?」
私は不意打ちで、爪の先を使ったコチョコチョを尻の表面に見舞ってやった。
エージェントXは甲高い悲鳴を上げた。
その顔は、真っ青になっている。
さて。お尻くすぐり回しの時間だ。
私は、細長い指をワキワキと曲げ伸ばしし、準備運動を完成させる。
そして、爪をトンッと尻にセットして。
びくんっとエージェントXの身体が揺れる。
くすり指、小指、中指、人差し指、親指の順に脱力して指を曲げ、爪で表皮をワシャワシャと引っ掻く。
ワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャ!!!
「ひゃっ!!?きぃぁぁぁぁあああああああああああああああああああっ!!?あはは!?ははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!?」
鼓膜がキンキンと痛むほどの悲鳴が上がった。
エージェントXのぬるんぬるんテカテカの尻が激しく揺れ、私が指を動かさなくたって勝手に爪の先が尻の表面を滑ってくれる。
エージェントは、自分で自分の首を絞めている。
それでも私は、指関節の曲げ伸ばしを怠らない。濃密なくすぐったさを浴びせるためだ。
ワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャ!!!
爪が、オイルを泡立たせるほどワシワシと掻いてやる。
「ぐひひひひははははははははははははははははははははははははは!!あーっ!!あーっ!!ぁぁぁぁああああああああああああっ!!!ぅぁぁあああああああああっ!!」
こうやって意味もなく叫ぶのは、正気を保つためだ。
この脳を震わせるお尻くすぐりのゾクゾクによって発狂しないため…。
そんな些細な抵抗も、私は砕く。
両手の爪をお尻と太もものキワのあたりに滑らせそこを細かく素早くコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョくすぐる。
「ぶひひっ!!?っっひひひひひははははははははははははははははははははっ!!!はーっはははははははははははははははははははは!!!にひひひひ!?いひっ!?ぃっひひひひひひひひ!!?」
ここは、モモ裏から伸びる敏感な神経がちょうど集まっているところ。
お尻の神経と交差しているため、くすぐったさは尋常ではない。
そこを、ツルツルの爪の先で撫でるように素早くコチョコチョしてやると──堪らない。
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!!
「ぎっっひひひひひひひははははははははははははははははははははははっ!!ほはっ!?っっは!?くぅぅぅぅぅっっ!!?っっふははははははははらははは!!あ"っ!!?」
私は、たっぷりとお尻を楽しんだ後、"急所"を突いて一度その指を止めた。
急所──尻の穴のワレメの根本部分。ここにこちょぐったぁい神経の集合体──核がある。
チョンっ。
「あっっ!!?」
爪の先で触るだけで、エージェントXは短い悲鳴を上げた。
ここを本格的にこそばす際は、いつも依頼主に事前に確認するようにしている。
なんせここをこそばしたら、
対象者が発狂する可能性が高い。
「ねぇスパイさん。これからね…お尻のとってもこちょばゆいところをコチョコチョくすぐってもらうけど…本当に良い?狂うかもしれないけれど」
依頼主の確認にも、エージェントXは黙っている。
いや。
迷っている。
もうエージェントXの身体にはしっかりとコチョコチョ地獄の恐怖が染み付いているのだ。
だから、きっとくすぐられたことのないだろうお尻のワレメの根元部分をコチョコチョされたらどうなるかも…分かっている。
だが、奴に選択肢はない。
きっと雇い主から口止めされているのだろうから。
口を割れば待っているのは破滅だ。
「……こ…答えることなど…」
掻き消えそうな小さな声でエージェントはそう言った。
「残念ねぇ…じゃあ…お願いね」
依頼主が私を見てウィンクする。
私は、たっぷりのオイルをドバドバと尻のワレメに注いだ。
右手の人差し指と中指の爪を、人体の急所──尻のワレメの根元に近づける。
エージェントXは、子猫のようにぶるぶると震え、その刺激に怯えている。
カリッ!
「あンッ!!?」
人差し指を曲げて爪でワレメの根本を引っ掻くと、エージェントXは鳴いた。
「いくぞ」
私はそう告げ、次に中指を曲げて爪でワレメの根本を引っ掻く、次はまた人差し指で、中指で──素早く素早く細かく細かく──
クリクリクリクリクリクリクリクリクリクリクリクリクリクリクリクリクリクリ!!
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!!っとウィークポイントを掻き下ろす。
「あぁっっ!!!うあああああああああああっっ!!!ああああああああああああああああああああっっっ!!?」
戸惑いと、パニックと、恐怖と、絶望と、くすぐったさ。
それらに支配されたエージェントXは目を大きく大きく剥いて口角を不気味に吊り上げ、金属音のように高い笑い声を搾り上げた。
「あああああああああっっはははははははははははは!!あはは!?あはははははは!!?あははははははははははははははは!!?やっっ!!?やばっ!?やばぁぁぁあああっっ!!?わかったっ!!!わかったからぁぁぁぁっっ!!!」
エージェントXは、完全に崩壊した。
腰は砕け、尻はビクビク痙攣しまくり、キーキー甲高い悲鳴を上げながら頭の悪そうな言葉を連呼している。
私が、2本の指、爪の先で、お尻のワレメの根本にある一点をコチョコチョしているだけなのに。
「ぶぁぁぁぁあははははははははははははははははははははははははははは!!?こっっ!!降参っ!!降参っ!!降参んんんんっっ!!!っっはははははははははははははははははははははは!!?」
エージェントXは泣き喚きながら必死になって何度も「降参」と叫んだ。
だが、依頼主は拷問止めの合図を出さない。
それはつまり、続行しろの合図でもある。
私はそれに従う。
オイルを追加し、爪の先でさらに素早く執拗に…ワレメの根本部分をくすぐりそして、もう片方の手の爪で尻の表面をゾワゾワ撫でる。
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ!!
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!
ワシャワシャワシャワシャワシャワシャ!!
「ぎぃぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああっ!!!あへへっ!?あへへへへへへへへへ!!?ひょぁぁあああああはははははははははははははははははははは!!?止めっっ!!止めでぇぇぇ!!」
手の指をぴーんと伸ばして硬直させたまま、エージェントXは許しをこう。
爪によるゾクゾクと、ワレメの根元に注がれる染み込んでくるような鋭利なくすぐったさのコンビネーションにエージェントXの心身は完全に打ち負けてしまっている。
「ぎゃぁぁぁああっ!!ぁぁあああああっっ!!うわぁぁぁぁああっっ!!!やめぇぇぇぇっっ!!っっひゃぁぁぁああああああははははは!?あはっ!!あはっ!!あはははははははははははは!!!」
叫ぶしかない責め苦。
叫んで、叫んで、お尻に注がれるこそばゆさをシャットダウンするしかない地獄。
無論、そんなものでシャットダウンできるようなくすぐったさではない。
ーーーー
「それは本当なのね?」
数分後、エージェントXは全てを吐いた。泣き腫らした目からはまだ涙がとろとろと流れている。
口元には、唾液のあとがこびりついていた。
「さて。じゃあ確かめないと…これまでみたく…身体に聞いて…ね?」
依頼主がそう言うとエージェントXは顔を上げて唖然とした。
「はぁはぁっ!!た、確かめるって…」
「ええ。だから今貴女が吐いた話が本当かどうかを」
依頼主の女のデカい手が、がしっとエージェントの首を掴んだ。
「ひっ!?」
エージェントは首を窄める。
「は、話したことはっっ全部っ本当っっだっっっ!!」
「そう?それが分からないから…確かめるのよ」
依頼主の女が両手でエージェントXの白い首周りをモニュリと揉んだ。
「なっ!!?」
エージェントの顔が悶絶に歪む。
涙が新しくジワリと滲み、その一撃で股間から僅かに尿が漏れる。
首揉み。
あの女の得意技だ。首というのは、爪なんかでゾワゾワくすぐるのがセオリーだが、この女は首の敏感な神経を揉んでくすぐる…あれをやられたら私でも堪らない。
「や、やめっっ…これ以上はっっ」
「だーめ」
依頼主はニタリと笑うとその恐ろしい両手でエージェントXの首の敏感なところをモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュ!!っと揉み殺した。
「にゃ"っ!!?あっ!?はっ!!?かぁぁぁぁぁぁあああああああああっ!!?なっっ!!?あっ!?あっ!!?ああああああああああああああああああああああ!!?」
エージェントXの顔がさらにとろける。
あれの恐ろしいところは、身体中の力を奪いながらくすぐったさを与えてくることだ。
口角は淫らに歪み、モミモミされていくに連れ、ふにゃふにゃにされていく。
「さっきのは…本当?」
依頼主の女は、肩で揉むようにモニュモニュと指を動かしながら囁く。
「ほんどうっっ!!本当なんだぁぁぁぁぁぁぁっ!!っっはははははははははははははは!!!いひっ!?いひひひひひっ!!?んぉぉおおおお!!!あああああはははははははははは!!?」
ガタガタと震えている口元から、だらだらと唾液が溢れていく。
首をひと揉みされるたび、オシッコがちょろちょろと発射され続けている。
「ミルクを」
依頼主が私に向けて呟く。
やはりそう来たか。
私は両手を、四つん這いのエージェントXの胸側に忍ばせ、親指と中指で乳輪を囲い
人差し指の爪で──
──乳首を──
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ!
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!っとくすぐった。
「んぉぉぉおおおおっ!!?ひょっ!?おっ!!?ちょっ!?そこっっ!!?んぁぁぁぁああああああああああああああああああああああっっ!!?あひひひ!?あひひひひひはははははは!!?」
普段から乳首は敏感なのだろう、私の艶々の爪が乳首を弾くだけで一気に乳首は勃起した。
だが、残念。私が与えるのは
くすぐったさのみだ。
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ!!
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!
「にょほほほほほっ!!?ぉっほほほほほほ!!?やっっやめっっ!?ひあっ!?やめえぇぇぇっっ!!コチョコチョするなぁぁぁぁぁああああはははははははははは!!?」
下から上へ。下から上へと滑らかに爪で引っ掻き上げ続ける。
ピンク色の乳首の奥底がドクドクと躍動し始める。
そろそろだ。
私は、親指の爪でコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョっと乳首を一気にくすぐり上げた。
「なっ!!?んぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああっっ!!?」
トドメの一撃により、乳首からはびゅるるっとミルクが飛び出した。
私はさらに乳首をいじめていく。
今度は全ての爪の先で乳首を細かくコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョとくすぐり倒す。
「あああああああああっっ!!?ちょっ!!?やめっっ!!いやぁぁぁぁあああああはははははははははははははははははははは!!!えへへ!?えへへへへへはははははははははは!!?」
腰を曲げたり、伸ばしたりを繰り返したり、金切り声を上げたりしながらエージェントXは悶え続けた。
ミルクを搾り出された後の乳首へのコチョコチョがやばいことは、私もよく知っている。
だから、やっている。
カリカリカリカリカリカリ!!
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!!
「ふへへへへへへっっ!!!もうやめぇぇぇっっ!!嘘はっっ!!嘘はついてないがらぁぁぁぁぁぁああああははははははははははは!!あはは!?ははははははははは!!!」
気絶はさせない。
そんな逃げは許さない。
スパイを生かしたまま、永遠にくすぐりのトラウマを植え付けて二度と悪さなど出来なくするのが、私の仕事だ。
朝が来た頃、拷問を終えた。
涙やヨダレ、ミルクや尿に汚れた拘束台の上にはエージェントXがぐったりと倒れている。
身体中に、無数の引っ掻き痕や揉み痕が残されていた。