【F/F】BEFORE THE UPDTATE─青の夜篇#3─
🕑 Added 2024-10-09 12:35:00 +0000 UTC
3.いちご狩り
(F/F)
地下牢で、胎児のようにうずくまっている女を見た。
真っ白い髪をした随分と手脚の長い女だった。
折り畳まれた指先の爪が随分伸びている。また、髪も傷んでいるように見える。長い間、外にいたのだろうか。
女の肌は、色素というものが存在しないのかというくらいに白かった。よく見ていないが、唇の辺りは色がついているように見えた。
女はピクリとも動かず、呼吸で身体が膨らむ様子もなかったので、死んでいるのだろうとシヨンはその時そう思ったのだ。
だから、この女が何をやったとか、そういったことは聞かなかった。
あとで誰かが処理するだろうとそう思っていた。
◯
シヨンがアジトのその部屋に踏み込んだのはその日が初めてだった。
"落とし場"。新世會ではその部屋をそう読んでいる。
幾人もの汗と油と涙の染み込んだ拷問具や拘束具の揃った部屋だ。
ここは、牢屋での雑な拷問や処刑とは違って、敵対組織やスパイ、そして幹部レベルの裏切り者なんかを丁寧にじっくりと扱いて弄んで殺す場所だ。
首から下、手首から上、足首から上。その全てに悍ましい刺青を彫り込んである180cmの長身が、部屋の奥の台で"開き"にされている。
仰向けに寝かされた状態で両腕両脚を開いて伸ばしたまま天井から伸びた鎖に繋がれているこの格好を"開き"とそう呼ぶのだ。
これにより両ワキは無防備に晒され、また、股もばっくりと開いたまま固定されることになる。
額や肋骨には数々の裏切り者の汗と脂の染みたベルトが巻き付けられており、縛られた者に"開き"でいることを強制させ続ける。
「君はもう少し賢いと思っていたけど」
シヨンは、開きにされて固定されている女──"ストロベリィ"を見下ろして言った。
新世會において、最も大勢を拷問し処刑してきた虐待マニアのストロベリィは、静かにボスを見つめ返した。
口には分厚い銀のダクトテープが貼られているため、彼女が言い返すことはできない。
「君は、新世會の邪魔をした。責任の取り方は知ってるね」
シヨンはゆっくりとダクトテープを剥がした。
ストロベリィが乾いていた唇をぺろりと舐める。
「笑える。私が一番、新世界のことを考えていたのに」
ストロベリィはこんな状況でも、いつも通りの掴みどころのない口調だった。
「別組織に情報を渡すことの、どこが新世界のためだって言うのかな」
シヨンは出来るだけ、感情を読まれぬよう、目を細めて唇を小さく動かし問うた。
「別組織?あぁ…"コマンド社"のこと」
ストロベリィはふふっと八重歯を見せ笑う。
「彼女らが未来を変える。彼女らこそが…人類を未来へ導くんだよ。新世會は、彼女らの判断に…身を委ねるべきなんだ」
そう語るストロベリィの表情は大好きな拷問をしている時と同じくらいにうっとりとしていた。
シヨンはストロベリィの目から視線を逸らす。
ストロベリィの身体に彫られた夥しい数の模様の中、月に向かって飛ぶ蝶の羽を喰らう機械仕掛けのカマキリの刺青が目に入った。
「こうなることはなんら…意外じゃない。全ては想定内だからねぇ」
ストロベリィの口調は、縛られている側の者とは思えないほど余裕に満ちている。
──単なるハッタリではないね。
徹底的に搾る必要がある。
「思い通りに死ねると思ったら大間違いだよ」
恐らくこれが、海兎としての初の大仕事になるだろうとシヨンはそう予感していた。
ドアが開く。
「あーあー。ほんとに"開き"にされちゃってる」
「手脚が長いと…開きにされても映えますね」
からっとした声と、しっとりと上品な声が部屋に入ってくる。
途端に、ストロベリィの顔が_やや強張ったのをシヨンは見逃さなかった。
「どうしていまあの二人がここにいるのか理解できないって顔だね」
シヨンはストロベリィの余裕の揺らいだ顔を見つめた。
部屋に入ってきた二人──"イェソ"と"ユリ"は本来ならば外で仕事をしているはずなのだ。
イェソとユリは新世會の最高幹部であり、二人も拷問と処刑はストロベリィと並んで恐れられている。
ストロベリィも理解している。イェソとユリに拷問にかけられたらどうなるかを。
だからストロベリィは、イェソとユリが外で長期間仕事をするというシヨンの流した嘘を信じて、鬼の居ぬ間に悪事を働いたのだ。
「当然これも・・・想定の範囲内かな?」
シヨンは首を曲げてストロベリィの強張った顔を覗く。
ストロベリィへの拷問は手を抜くことが許されない。なんせ組織一の拷問マニアであり、タフさを誇る女だ。
やわな拷問では口を割ることも、心をへし折ることもできない。
イェソとユリの投入は不可欠だ。
殺人くすぐり指圧術に長けたイェソと、神経嬲りの爪を持つユリの投入は。
「だからあれ程・・・スピリチュアルはやめときなって言ったのに」
黒髪を後ろで束ねたスポブラ姿のイェソが哀れな元仲間を見下ろしてため息をついた。
見た目はどこかのフィットネストレーナーにしか見えないが、彼女はこれまで指圧のみで百人近く殺している。
「でも・・・感謝しますよストロベリィ。貴女を拷問できる貴重な機会を提供してくれたのですから」
真っ黒い上品な長い髪に、白い肌をしたスラリとした女──ユリが細く長い指を口元にあててくすくす笑った。
グレーのネイルがぎらりと光る。
ユリの方も一見すればどこかの令嬢に見えるが、爪くすぐりで大勢を破壊し殺してきている。
「聞きたいことはいくつかある」
シヨンはゴツゴツと黒い靴で足音を立て、錆びついた赤黒い鉄の椅子まで歩いて、腰掛けた。
「まず一つ。君が話していた女はコマンド社のなんという人間かな」
シヨンがぴんと人差し指を立てると、イェソとユリがそれぞれ配置──イェソが開かれた股の間、ユリが胴体のそば──についた。
「知りたいの?怖いもんねぇ…彼女たちのことが──」
ストロベリィが八重歯を見せた──それと同時に、開かれた股の間にいたイェソがストロベリィに覆い被さるようにして両手を脇腹に喰らいつかせた。
目にも止まらぬ速さであった。
イェソの悪魔の手がストロベリィの引き締まった脇腹を捕まえ、皮膚が引っ張られて刺青が歪む。
イェソの、先端の妙に丸っこい親指が脇腹の一点に食い込みそして──グリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ!!!っと神経を揉み込んだ。
声が漏れるより先に、ガタガタっと拘束具が揺れた。
「うぐぁっ!!?くっ!!?くひっっ!!?ひっっ!!!ぎっっ!!ぎぎぎぎっっ!!?」
ストロベリィから、必死にくすぐったさを押し殺そうとしている苦悶の声が漏れる。
「あんまり余裕ぶってるとさぁ…いじめたくなるよ。こんなふうに」
イェソが親指の角度を僅かに変え、指先で脇腹のこちょぐったぁいツボをえぐるようにグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ!!っとほじくった。
縛られた足裏の、足指がぎゅうと丸まった。
「ぶはっっ!!?しまっっっっ!!?っっはははは!!?あっっ!!っっはははははははははははははははははははははははははははは!!!ふーっ!!ふーっっ!!っっひはははははは!!!」
ストロベリィの大きな身体から、甲高い悲鳴が上がった。
拷問マニアのストロベリィの悲鳴を、シヨンはこの時初めて耳にした。少しだけ、興奮した。
イェソの、くすぐり指圧にのみ特化した親指が、グリグリグリグリグリグリとストロベリィのプライドと脇腹のツボを同時にえぐる。
グリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ!!
「くふっふはははははははははははははははははははははははははははは!!!イェ…ソっっ…!!こんなことッッひひひはははははははははははははははははははははははははは!!!」
ストロベリィは一瞬、イェソを睨んだが、すぐに脇腹の奥深くにあるこちょばぁいツボをグリグリされることで発生するくすぐったさに負けて、無様に笑った。
「おやおや?なんだ今の顔は。そんなにここをグリグリされるのが好きか」
イェソが愉しげに言って、ぺろりと舌なめずりをすると、親指をさらに滑らかに動かして脇腹のツボとその周囲の神経を同時に揉みほぐした。
グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ!!!
「はっ!!?ひああははははははははははははははははははははは!!ひぃぁぁあははははははははははははははははははははははははは!!!そっっその汚い指でっっ私にっっひひひひひ!!ぅっひひひひひひ!!」
苦悶と憎しみの狭間を行き来する目でイェソを睨みながら、ストロベリィは声を震わせ笑い声をあげて腰を跳ねさせる。
「どうやら…私の出番はもう少し後ですかね」
ユリが椅子に座って長い脚を組んだ。
組んだ太ももに、溶けた頭蓋骨のタトゥーが見える。
「そんなこと言わずにユリ…手伝いなよ。そこの"ツボ入れ棒"使えば、爪の長いお前も"これ"出来るだろ」
イェソが顎で、ワゴンを指した。
ワゴンには様々な拷問具が置いてある。
ユリはその中の一つ、握り太の黒々と光った棒を握った。
棒の先端部は細くなっている。
"ツボ入れ棒"。そう呼ばれるくすぐり拷問具だ。
「あぁ。これがありましたね」
ユリは握りしめた棒の先端部を、ストロベリィの浮いた肋骨の、骨と骨の隙間に押し当てた。
「ではストロベリィ…私にもその悲鳴を聞かせてくださいね」
「いひひひははははははははははは!!?あっ!!?それはっっ…!!」
ストロベリィがはっと目を見開いて棒を見つめる。
ユリはニコリと笑って、ツボ入れ棒の先端部を骨と骨の隙間にぎゅっと食い込ませると、グリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ!!!っと骨の隙間に潜む敏感な神経の塊をえぐった。
「ごぁっっ!!?ぐぁぁああああああああははははははははははははははははははは!!!あああああああああああああああああははははははははははははははははははは!!!!?」
ストロベリィの身体がガタガタガタガタと小刻みにしかし大胆に震え上がった。
ツボ入れ棒の細い先端部は、指先のような役割を持ちながらも指よりもさらに繊細な機能も持ち合わせている。
それは、指先ではえぐれない小さなポイントも的確にグリグリといじくり回せるという機能だ。
これにより、被拷問者はウィークポイントに灼けるように濃厚なくすぐったさを送り込まれることになる。
グリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ!!!
「ぐぁぁぁぁぁぁぁあああっっ!!!あっっ!!!あは!!あははははははははははははははははははははははははははははは!!!ふっっっひゃひゃひゃはははははははははははは!!!」
ストロベリィの身体が、某の先端から逃れようと身を捩っても、ユリは容赦なく先端部を押し込んできて逃がさない。
「お前の身体、刺青があるから目印みたいで分かりやすいよ。おかげで1ミリも狙いをずらさずにグリグリしてやれる」
イェソが嬉しそうに言って親指を巧みに操りグリグリグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュと脇腹のその周囲の神経を揉み殺していく。
「ごはっっ!!!はははははははははははははははははははははははははははははは!!けほっ!!っっひひひひははははははははははははははははははははは!!!やめっっ!!ぇぇぁぁぁあはははははは!!!」
伸ばした首筋に血管を浮き立たせながら、ストロベリィが鼓膜を震わせるような悲鳴を上げ続ける。
幾人もの人間をくすぐり屠ってきた彼女の長い指が、うにょうにょと苦しげにもがいている。
開きにされた哀れな拷問マニアを、二人の拷問のプロが弄ぶ。
親指で。
棒で。
彼女らは、仲間だった女にも容赦ない。むしろ、ストロベリィの苦しみを求めている。
だから彼女らは、恐ろしいのだ。
シヨンが手を叩くと、イェソとユリは同時にくすぐるのをやめた。
イェソの親指が脇腹から抜き取られ、ユリのツボ入れ棒が肋骨の隙間から撤退する。
「はぁはぁはぁはぁっ!!!けほっ!!!かはっ!!」
ストロベリィは激しく咳き込み、大きく口を開けて必死に酸素を取り込んだ。
「あぁ。苦しそうだねストロベリィ」
シヨンは立ち上がってストロベリィのそばまで歩いた。
ストロベリィのものだろう汗の匂いがふわりと香った。
「この拷問の苦しみは君が一番よく分かっているはずだ。だからこれ以上、口を閉ざすのはお勧めしないよ」
「はぁはぁっ…!!」
ストロベリィ息を吸っては唾を飲み、息を吸っては唾を飲み、を繰り返しながらもシヨンを睨んだ。
「教えてくれるよね。君が取引していたコマンド社の女の名前を」
シヨンが問いかけた頃にはもう、ユリがワゴンにあったオイルを手に取り、自身の両手に塗ったくっていた。
「知りたければ…殺せば──ひぃぃあっっ!!?」
ストロベリィが言い終わるのを待たずして、ユリがオイルまみれになった長い爪でストロベリィの二の腕をゾワリと撫で上げた。
ストロベリィの腰が浮き、その全身の皮膚に、鳥肌が立った。
「じゃあストロベリィ。次は私と遊びましょう──」
ユリの大きな手がワキの上空を舞い、やや筋張った長い指がぐぱっと伸びる。
「──話したくなるまで」
指関節がワシッと曲げられ、グレーの爪の先が腋の下にガッと喰らいつく。
「コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ…」
ユリはコチョコチョと歌いながら細く長い指を踊らせた。
「ぶっっっ!!?ぶくくくくっっ!!?くっっっ!!?くふっ!!?くふふふふふふふふふふ!!!!!?」
ストロベリィは顔を真っ赤にしたまま口から笑い声を漏れるのを抑えている。
我慢されたのが気に食わないのか、ユリは不愉快そうに目を細めた。
「なにつまらないことしようとしてるのかな」
ユリが脅すような低い声でそう囁いた直後、一瞬、指が止まった。
そして。
「コォチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョー!!!」
甲高いコチョコチョソングと共に、明らかにさっきまでとは比べ物にならないほど滑らかで素早いコチョコチョがワキに注がれた。
「ぶはっっ!!?はっ!!!はははははははははははははははははははははははははははははは!!?ぶへへへへへへははははははははははは!!くっっくそっ!?くそっ!!?ひぃぁぁぁぁあはははははははははは!!!」
長いグレーの爪の先端が、刺青まみれの薄い腋の表皮を無慈悲に引っ掻き、くすぐり嬲る。
ストロベリィはぐんっと背中を反らし、無様に伸ばされた両腕両脚を揺らして悶える。
「私のくすぐりを堪えようとするなんて許すわけがないでしょう。悪い子にはお仕置きです」
ユリの爪がずるりと脇の下のとある一点に滑り、そこを爪の先で細かく
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ!!
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!っと引っ掻きまくった。
「にゃっっ!!?にゃははは!!?にゃはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!?あああああははははははははははははは!!そっっそごはっっっ!!?っっははははははははは!!?」
拘束されているのを忘れたのかと言うほどに、ストロベリィは無茶な体勢を取ろうとしたり、無意味な金切り声を上げたりして腋のウィークポイントに注がれるこそばゆさを発散しようとする。
だが、無駄だ。
「うふふ。ストロベリィ…弱点はこの…ワキに彫ってある星模様のところですか?分かりやすいですよ」
ユリは嘲笑いながら、ワキの神経の詰まったウィークポイントにたまたま刻まれていた星模様を細かく素早くコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョとくすぐる。
「ぎゃははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!そこにっっ!!触るにゃぁぁぁぁあああはははははははははははははははははははは!!ひぃぁぁあははははははははははは!!!」
ユリの細く長い指が滑らかに曲げ伸ばしを繰り返し、爪の先で腋の表皮の下に詰まっている神経を刺激するたび、ストロベリィは声を震わせて悶えまくった。
「笑うのは健康に良いと聞くけどね…笑い過ぎは死に至るとも聞くよ。そうならないように…早く…口を割れ」
シヨンが脅すと、それに合わせるようにユリの指の速度がさらに早まる。
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!!
「ひあはははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!はっっ!!はっ!!はっっ!!話すっっ!!!話すよっっ!!!っっひはははははははははははははははははははは!!!」
ストロベリィが泣きそうな声で叫んだ。
シヨンは、ユリに手を止めさせ、ストロベリィを見た。
「はぁはぁはぁっっ…!!けほっ!!こほっ!!ひひひひひっ」
もうくすぐられていないのに、ストロベリィはなぜか笑い出した。
「ひひひっ!!う、嘘だよーん…!!いひひひ!!」
ストロベリィが八重歯を見せた。
目は引き攣り笑っていないが、口角は完全に吊り上がっている。
シヨンの中で、警報が鳴った。
"海兎としてのメンツ"が危機に瀕している。
今、ストロベリィに舐めた態度を取られたことで、自身の海兎としての立場が、新世會そのものが、危機に瀕した──そう感じた。
シヨンは何も言わずに、その手でストロベリィの鼻と口を塞いでやった。思い切り、体重をかけて。
「むぐっ!!?」
ストロベリィの目がぎょろっと開く。
「こしょばしてやって」
シヨンがそう告げた直後、ユリが爪の先で腹部を、イェソがその近くにある骨盤のツボをゴリゴリくすぐった。
ゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショ!!
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ!!
「ぶぐっっ!!?んぅぅぅぅぅぅぅううううっっ!!?うぉっっ!!?ぉぉおおおおおおおお!!!?おほっ!!?おっ!!?んぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああ!!!」
ストロベリィの絶叫が、手のひらの中で弾ける。
大きな身体が、千切れんばかりに暴れる。
「キーキーうるさいよ。今のこれはお仕置きだ。拷問じゃない。だから君が話す必要はない。わかったね?」
シヨンはストロベリィの赤くなった耳にそう囁き、暴れる頭をさらに押さえつける。
「悪いことしたら罰が待ってる。これは、当たり前のことだよ」
シヨンは囁きながら、引き締まった腹部をユリのグレーの爪が掻きむしるのを、骨盤の凹んだところをイェソの親指以外の四指がゴリゴリほぐすのを眺めた。
「ぶぉぉぉぉぉおおほほほほほほほほほほほほほほほ!!?おほほ!!おほほほほほ!!!んぉぉぉほほほほほほほほほほほほほほ!!?こほっ!!?げほっ!!?んぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
見開かれたままのストロベリィの目が血走っていく。
それでもやめない。やめさせない。
シヨンの手の中が吐息と唾液とで湿ってくる。
ゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショ!!
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ…ぐちゅぐちゅっ!
「ぉぉおおおおおほほほほほほほほほほほ!!!ごほっ!!こほっ!!?ほっ!!?ほほほほほほほほほ!!!ほほほほほほほほほっ!!!ぉっ!!おっ!!!ぉっっ!!?おおおおほほほほほほ!!!」
ストロベリィの瞳の色が薄まってくると、シヨンはそこでようやく手を離した。
「ぶはぁっっ!!はぁはぁはぁはぁっ!!けほっ!!けほっ!!おぇっっ!!!」
苦しげに咽せるストロベリィの顔色は青に近くなっていた。
「今の苦しみを忘れないことだよ。そろそろ仕上げに入ろうか」
シヨンが言うと、ユリがオイルを手に取ってストロベリィの足元に向かった。
そこにあるのは、ガッチリと拘束された彼女の足の裏だ。
180cmの長身に見合った大きな足裏。足指は長く、薄紫色に塗られた爪も大きくて広い。
「はぁはぁっ…!!トドメだって…まるで私が…ひゃぁっっ!!?」
ストロベリィのメスの悲鳴が上がる。
ユリがグレーの爪の先でこちょりんっとストロベリィの肉厚な足裏の表面をなぞり下ろしたのだ。
長い足指は丸まり、足裏には皺が寄っている。
ユリが膝を曲げ、弱々しく丸まっている足裏を見つめる。
「うふふ。大きくて強そうだけど…とっても敏感な足裏さん。初めまして。私はコチョコチョ星からやってきました。よろしくね。コチョコチョ」
ユリが長い人差し指をお辞儀するように折り曲げて、爪の先で土踏まずを引っ掻いた。
「ぎぃあっっ!!?」
ストロベリィの濁った声が上がり、またも足指がきゅっと丸まった。
「どうやらこれからコチョコチョ星から来たあの指が君の足裏を食べちゃうみたいだけど…それで良いのかな」
「はぁはぁはぁっ…!!私を殺さずに…生かしておけるか…拷問の腕前を確認してあげる」
ストロベリィは笑ったが、その引き攣った笑みは僅か一秒にも満たなかった。
八重歯だってほとんど見えなかった。
「それじゃあ私と遊びましょ」
ユリがぐっぱーとオイリーな指を曲げ伸ばしし、爪の先を足裏に向ける。
「はぁはぁっ…ヘマするんじゃないよ」
ストロベリィは言って、精一杯の邪悪な笑みを浮かべた。
「ちょっとちょっとストロベリィ。立場。立場。立場忘れてない?」
ユリがうふふと笑ってグレーのネイルの先端を土踏まずに食い込ませるように押し当てた。
「くがぁぁぁぁっっ!!?」
ほんのりと赤みを帯びた足裏に皺が寄り、足指がぐぱぁっと開く。
「忘れたんなら…思い出させてあげますね」
ユリの白い指が暴れ出し、グレーの爪の先がガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ!!
ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!っと土踏まずとその周囲とをくすぐり掻きむしった。
「ぎっ!!?ぎぃぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああ"っっ!!!?やっ!!?あっ!!!?あっっ!!?うああああああああああああはははははははははははははははははは!!?」
足裏に、いろんな形状の皺が寄っては消え、寄っては消える。
足裏の真ん中のミゾ──土踏まずに溜まっている神経のラインをグレーの爪が冷徹にガリガリガリガリと削り、また、ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョと周囲の神経をこそばしまくる。
「ひあっっっはははははははははははははははははははははははははははははははは!!かはっ!!はっ!!はへっ!!っっへへへへはははははははははははははははは!!!やっっ!!やめっっ!!っっへへへへははははははははははは!!!」
黒みを帯びた赤色へと変色していく足裏の表面を、麗しきグレーの爪の先が貪るようにゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ引っ掻いていく。
その度に、ストロベリィの腹部が膨らんだり、凹んだりを何度も何度も繰り返す。
ストロベリィの頬の筋肉が痙攣している。
「こらこら暴れてはいけませんよ。ほらっ…捕まえた」
ユリは、くねくね暴れる足指を片手でがしりと捕まえる。
「ほぉらもう動けない。いきますよ?コォチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョー!!!」
ユリは、足指を掴まれ、ぐんと反らされた状態の足裏の土踏まずをグレーのくすぐったいネイルで引っ掻き殺した。
「ひぃっ!!?っっひはははははははははははははははははははははははははははは!!?あっ!!?あっ!!?あっ!!?あぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああ!!!うわぁぁぁあははははははははははは!!!」
ぶんっぶんっとストロベリィの頭が上下左右に揺れる。
脂汗まみれになった顔に、髪が数本、こびりつく。
「ほら。お姉さんに必要な情報を喋ってください。でないと…本当にコチョコチョで殺しますよ」
これは脅しではないぞと言わんばかりにユリはグレーのネイルで足裏の伸び切った土踏まずの神経をさらにくすぐる。
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ!!!
ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!!
「ぎひゃひゃひゃひゃひゃひゃはははははははははははははははははははははははは!!?ごほっ!!?ごはっっ!!?はっっ!!?はっっははははははははははははははははははははははは!!?それはっっ!!それはぁぁぁぁっっ!!!」
ストロベリィの目に、涙が滲む。
彼女は今まさに瀬戸際にいる。
屈服の瀬戸際に。
押してやらねばならない。
シヨンはイェソに指示を与える。
「了解。全く…ドS心をコチョコチョくすぐってくれるやつだよな」
イェソはふうとため息をついて、ストロベリィのばっくり開かれた股の"鼠蹊部"のコリコリしたところに両手の指をうずめ、グチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャ!!!っと揉みしだいた。
「んぁっっ!!?んぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああはははははははははははははははは!!!ひはは!?ひはははははは!!?ひははははははははははははは!!?それはっ!!?ぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」
敏感な神経の詰まった鼠蹊部を指でグチャグチャ揉み込まれ、ストロベリィは駄々っ子のように暴れた。
揉みのプロであるイェソは、狙いを外さないまま鼠蹊部が一番くすぐったく感じる揉み方でグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャと責め続ける。
「いぁぁぁぁぁぁあああああああああああああははははははははははははは!!!わがっだ!!わがっだっっ!!!言うっっっ!!!言うからっっっ!!っっははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
鼠蹊部に食い込むイェソの指に搾り出されるようにして、ストロベリィは屈辱の言葉を吐き出した。
しかし、シヨンが止めない限りはイェソとユリの指が止まることはない。
グチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャ!!
ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!!
「うあああああああ"っっ!!?言うっっ!!言うってっっ!!言ってんだろぉぉぉぉぉぉ"っっ!!!っっはははははははははははははははははははははは!!?あは!?あははははは!!?あはははははははははははは!!!」
憎しみと屈辱の両方が浮かんだ目で、ストロベリィは目玉をぎょろぎょろさせて叫んだ。
ようやくシヨンが手を挙げて二人を止めると、それと同時にストロベリィの膝が震えて
股からちょろちょろと尿が垂れた。
もあっと、ストロベリィの熱気が周囲に広がる。
少し時間は要したが、想定通りストロベリィの口を割ることが出来た。
ストロベリィのようなタイプに、死など脅しにはならない。
彼女が恐れるのは、死に行きつかない永遠の苦しみだ。それを与え続けることで、必ず口を割るのだとシヨンはそう知っていた。
「しばらく隔離房に閉じ込めて下っぱに可愛がらせて。弱ったら…始末を。細かいところは任せるよ」
情報を聞き出したシヨンはイェソとユリにストロベリィの始末を任せた。
「だってさストロベリィちゃん」
「房で下っ端ちゃんたちの餌になる前に…もう少し可愛がってあげますね」
イェソとユリが美味いものでも見るような目で、無力になった放心状態のストロベリィを見つめた。
「はぁはぁっ…!!これで終わりじゃない…はぁはぁっ…すぐに…篩(ふるい)にかけられる時が来る…」
ストロベリィは、息を切らしながら、掠れた声で言った。
「はいはい分かったよ。とりあえず…笑おっか」
「おしっこの次はミルクを搾り出させてあげますね」
イェソの指が腋のツボに、ユリの爪が乳首に伸びたところで、シヨンはストロベリィから背を向け歩き出した。
「ぎぃぁぁぁぁああああああああああはははははははははははははは!!?あはっ!!?はっ!!?やめっっ!!もうやめっっっ!!!やめぇぇぇぇへへへへへはははははははははははははははははは!!んぉっ!!?おおおおおおっっ!!?」
ストロベリィの悲痛な悲鳴は
シヨンが部屋を出てドアを閉めたのと同時にシャットアウトされた。
〈続〉