【F/F】その施設はこの世の地獄と呼ばれている
🕑 Added 2024-09-27 13:22:50 +0000 UTC
その施設はこの世の地獄と呼ばれている
(F/F)
その施設──素行不良者改造所──はこの世の地獄と呼ばれている。
私がその地獄の"獄卒"として働くことになったのは、ただ単に獄卒の給料が高給だったからに他ならない。
それに、この施設に送り込まれてくる、刑務所やその他施設では扱いきれないという女たちを一目見てみたかったという気持ちもあった。
また、話によれば、その施設では"コチョコチョ"で犯罪者たちの精神を健全なのに改造していくと言うのだ。さらに興味が湧いた。
今思えば浅はかだったと思う。
私は甘くみていたのだ。この施設を。地獄を。
◯
施設内の職員室にて、制服である真っ黒いツナギを渡された。
肩には、施設の紋章が刺繍されている。両サイドの手によって無理やり笑わされている悪魔の描かれた奇妙な紋章だった。
今回、募集があったのは二つ。
"職員"──いわゆる獄卒の枠。
こちらの条件は身長165cm以上で一年以上のスポーツ経験があること。
次に、"処置員"──この施設では"鬼"と呼ばれている役職で、実際に収監者たちに様々な処置を施す役割を果たすことになる。
様々な処置とはもちろん──くすぐりだ。
つまりこの処置員とは、くすぐりを生業にするコチョコチョのプロということになる。
こちらの条件は細かく、手のサイズが18センチ以上であること。日ごろから爪の手入れを怠っていないこと。
また、爪の広さや厚み、指の器用さにも規定があったり、他にも実技テストがいくつか用意されていた。
私が応募して採用されたのは前者──獄卒の方だ。
私は身長が180もあるし、スポーツだってずっとやってきた。だから、即採用だった。その背の高さに見合って手もでかいけれど、処置員になれるほど色んな条件は満たしていないし第一、直接犯罪者をどうこうしたいという気持ちはなかった。
「お前が新入りだな?」
私と同じ黒いツナギを着た職員が私を睨みつけるように見上げて言った。
黒髪で、スタイルも良くて、モデルとかにいそうな美人だが、威圧感が凄まじいのに生気がない。
なんというか、生き物としての温もりが感じられず、同じ人間とは思えない。
「担当収監者のファイルだ。適当に目を通しておけ」
先輩職員は私にファイルの束を押し付けた。
そのファイルにはどうやらここに収監されている女囚たちのデータが記されているらしい。
かなりの枚数だった。
私がファイルに目を通し終えるのを待たずして、先輩職員は「仕事だ」と言って私を部屋から引っ張り出した。
「新規収監者を連れて行くぞ。そこに立ってろ」
先輩職員──アヤは私にそう言うと、分厚いドアの前で止まった。
ドアが開く。
ガラガラと台車に乗せられた檻が二人の職員によって運ばれてくる。檻の中には──裸体の女がいる。
髪を青く染めたいかにもヤンチャそうな娘だ。
私は慌ててファイルをめくった。
ファイルに添付されている顔写真の目の前の娘の顔を照らし合わせ、檻の中の娘が誰なのかを確認する。
"小俣 柚音(ゆお)"。
肩にドクロのタトゥーが彫られたその女は、年齢は恐らくかなり若いが、罪状はヘビィだ。れっきとした犯罪者である。
檻の鍵が開くと、柚音は自ら戸を蹴り開けた。
「ふざけんなよ!?人をものみたいに扱いやがって!」
柚音が吠えるが、先輩職員のアヤは、柚音のワキにするりと腕を通して掴み、柚音を引っ張り出した。
「ちょっ!?」
「ほら、逆側を同じようにして持て」
アヤが私の方を見て言った。私はすかさず、柚音のもう片方の腕のワキに腕を通した。
アヤとタイミングを合わせて、柚音の身体をぐいと持ち上げた。
両ワキを抱えられてモノのように持ち上げられた柚音は、ギロリと私を睨みつけて来た。
「ふざけんなふざけんな離せ!!くそっ!!」
柚音が激しく暴れるが、力は背の高い私の方が強い。また、この二人がかりでの持ち上げ方法では柚音が逃げることは不可能だった。
「これからコイツを"椅子"に座らせる。あっちの部屋に連れて行くぞ」
アヤが顎で前方を指す。
「い、椅子…?」
「ここに連れてこられた屑どもがまず最初に座らされる椅子だ。そこで…分からせる」
アヤはそれだけ言ってぐいっと柚音を引っ張るようにして歩き出す。私もそれに合わせた。
「離せ!!離せ!!こんなとこに私を閉じ込めておけると思ってんのか!?」
私の鼓膜を、柚音の甲高い喚き声が震わせる。
部屋の前にスタンバイしていた二人の女が、鉄のドアを開けて私と柚音とアヤの三人を中に入れた。
部屋に入った途端、私は思わず顔をしかめてしまった。部屋には異様なニオイが立ち込めていたのだ。
薬品のようなニオイ。それから、なんとも言えない酸っぱいニオイ。それらがぐちゃぐちゃに混ぜ合わさっているような異様なニオイ。
そんな部屋の中央に、椅子が一つどんっと設置してある。
私が想像していたような椅子とは随分違った。
赤黒く錆びたその鉄の椅子は、鉄の枷や革のベルトといった拘束具がたっぷり搭載されている禍々しい椅子だった。
脚の部分は床とほとんど一体化しており、この椅子に座らされた者がどれだけ暴れても椅子が倒れることはなさそうだった。
アヤの指示で柚音をその椅子に座らせる。
「くっそ!!なんだよこれっ!!」
柚音は長い脚をじったばったと暴れさせる。
アヤが、手錠をかけられた柚音の両手首を掴んでぐいと背もたれの向こう──後方へ引っ張る。
「そこのワイヤーと繋げて」
アヤが言った。
「えっと…どれですか」
異様な雰囲気に呑まれかけていた私は、アヤの指示が理解できずあたふたと辺りに視線を泳がせていた。
「そこの壁。引っ張ったら出てくるから。はやく」
アヤが大きな目でじろりと壁を睨む。
私もその壁を見た。
椅子の真後ろの壁に金具のようなものが顔を出していた。その金具を引っ張ると、金具──頑強なカラビナ──に取り付けられた金属製の細い細いワイヤーがぐんと伸びた。
私は急いでカラビナを柚音の手錠にがちゃんと嵌め込んだ。
私が手を離すと、ワイヤーは壁の方へ戻ろうとしてそのまま柚音の両腕を壁側に引っ張る。
柚音の身体が、バンザイの格好のままぐんと後方へ反る。
「ぐぁっ!?」
私がワイヤーに苦労している間に、アヤはもう柚音の両足を拘束し終えていた。
「あ、あの後はなにを…」
「もう仕事はない。あとは…」
アヤは言って、部屋のドアを見た。
ちょうど、ドアがぎいと音を立てて開いた。
ガラガラとワゴンを押しながら二人の女が部屋に入って来た。背の高い女。私と同じまま真っ黒いツナギを着ているが、やけに光沢がある。
二人とも、黒いマスクで口元を覆い隠しているが、かなりの美形なのは隠せていない。
二人は、私たち職員とは明らかに違う──空気を纏っていた。
「あとは、あの二人──"処置員"の仕事だ。私たちは側で見れればいい」
アヤが椅子から少し離れたところに立ったので、私もそれにならった。
二人の処置員はワゴンの上にある何かの液体が入ったボトルや、ヘアブラシのようなものなんかを綺麗に並べていた。
処置員の手元を見た私は思わず息を飲んだ。
異様な手だった。
まずはその大きさ。180センチある私もたいがい手がデカいが、二人の処置員の手はそれと同等かそれ以上のサイズだ。
次に指の長さ。ピアニストも驚くほどの指の長さで、文字通りスラリと綺麗に伸びている。
そして爪。水晶のようにツルツルぴかぴかに磨かれている爪の形状は非常に美しく丸く尖っている。一体どれほど爪の手入れをすればそうなれるのか──私にはまるで分からなかった。
「あれが見えるか」
処置員のうちの一人が、椅子の正面の壁にはっつけてあるモノを目で指しながら、冷たい声色で柚音にそう言った。
壁にはっつけてあるのは、鉄の板。そこに、何やら文章が彫られている。
"更生宣言"。タイトルにはそう記してあった。
「あれを読み上げろ」
処置員が、しっかりと柚音を見つめたまま、ワゴンのボトルを手に取り告げる。
「はっ!お断りだ」
柚音はヘラヘラ笑いながら突っぱねた。
処置員がボトルを開け、中のヌルヌルした液体を指に馴染ませながら、もう一人の処置員とチラリと目を合わせた。
その直後───。
手前にいた処置員のヌルヌルになった両手がずるっと柚音の引き伸ばされ開かれたままの腋の下に食らいついた。
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!!
十本の恐ろしく長い指が暴れ出す。
余裕に満ちていた柚音の顔が、歪む。
「はっっ!!?っひゃっひははははははははははははははははははははははははははは!!?なんだっ!!?ちょっ!!?くすぐったぁぁははははははははははははははははははははは!!?」
柚音の細い身体が椅子の上でグネグネ捩れ、硬そうだが形の良い胸が上下に揺れる。
拘束具が喧しく鳴る。
驚きと苦悶の混じった不気味な笑顔を浮かべさせられながら、柚音は処置員の長い指から逃れようともがいている。
だが、処置員は一切指を止めることなくコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョと柚音の剥き出しのワキをこしょぐり続けている。
「ぎぃははははははははははははは!!!なっっなにしてんっっっ!!?だっっ!!?っははははははははははははははははははははははははははははは!!うひゃっ!うひゃっ!!うひゃひゃひゃひゃっ!!!さわんなっっ!!くそっ!!っっひひひひ!!」
柚音が嫌悪感いっぱいの目で処置員を睨む。
だが、その睨み顔も処置員の長い長い指が踊るようにくすぐり動けば無様な笑顔に変わる。
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!!
「っひゃははははははははははははははははははははははははははははははは!!!くっっそっっ!!!ひぃひひひはははははははははははははは!!こしょばっっ!!?っっひははははははははははははははははは!!!」
柚音は何度も、腕を引っ張ってワキを閉じようとしていた。だが、どれだけもがいても鉄の拘束具には敵わない。
結局、無防備なままのツルスベのワキを…処置員の整えられ過ぎている指先に蹂躙される。
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ…と。
「ひぃっっひひひひひひははははははははははははははははは!!はぁはぁはぁっっっはははははははははははははははははははははははははは!!かはっ!!かはっ!!!くるしっっ…ひひひひひははははははは!!!」
無理やりに激しく笑わされ続けている柚音の顔が不自然なほどに赤く染まっていく。
息を吐いたり吸ったりを繰り返している腹部は、ふるふる震えて早くも疲弊し始めていた。
私は唾を飲んだ。
私には、身体の自由を奪われてくすぐられた経験はないが、それがとてつもなくキツいことはもう今のくすぐり罰を見ていて良くわかった。
処置員が一度、指を止めた。
「はぁはぁはぁっ!!けほっ!!なんだよくそっ…コチョコチョとかガキかよ…」
柚音は息を切らし、頭を振って乱れた青い髪を揺らす。
「もう一度言うぞ。あれを読み上げろ」
処置員が細く長い指で壁の板を指差す。
「はぁはぁ…あんな良い子ちゃんな文章読むなんてごめんだっての…読ませたいなら殺してみろ──ひっ!!?」
柚音が啖呵を切り終えるより早く、処置員の女の指が今度は柚音の腹部に触れていた。
柚音の顔がえらく引き攣っている。
「ぐぎぃぃっっ!!?」
さっきまでとは何かが違う。
そう。
爪。処置員は、あの恐ろしく整った丸く尖った爪を腹部に立てているのだ。さっきまでは器用に指先だけでコチョコチョとくすぐっていたのだが。
「もう一度…聞こうか」
処置員の女が、黒いマスクの向こうから冷たい声を響かせる。
「はぁはぁ…!!」
柚音は顔や全身を引き攣らせている。
椅子の上だが、腰が完全に引けている。
「おい。良く見ておけ。処置員の女どもの"爪くすぐり"。どんな奴でもフニャトロにされるから」
いつの間か隣にいたアヤが私の耳元で囁いた。
私は、恐ろしくくすぐったそうな処置員の爪の先に釘付けになったまま頷いた。
「…ふ、ふざけんなっ…誰が…こんな手でっ…」
柚音がぎろりと処置員を睨みつけたその直後、処置員の女の指がゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!!っと暴れ出し、爪の先で腹部を掻き回した。
「んがっっ!!?かっっ!!?はっ!!?…っっっわぁぁぁぁぁぁあああああはははははははははははははははははははははははははははははは!!?かはっ!!けほっ!!?ちょっっ…!!?こしょっっっばっっ!!?ッッひぁぁぁぁぁあははははははははははは!!!!」
柚音の顔がまたぐんっと真っ赤に染まり上がり、口角も一気に吊り上がる。
凄まじい速度で苦悶が加速していく。
柚音は椅子の上で可能な限り腰をくねったり、浮かせたり、腹を凹ませたりして処置員のこちょぐったい爪から逃げようとしているが、処置員の指はしっかり食らいついて爪を立てたまま、モジョモジョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ蠢いてくすぐったさから逃さない。
「ぐぎゃはははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!かはっ!!けほっ!!!くるじぃっっ!!くそっっ!!!こんなっっ!!っぅひひひひははははははははははははははははははは!!!」
本当は笑いたくない。コイツらが憎くて仕方がない。
柚音の強制笑顔の下には、そんな憎悪がたぎっているように私には見えた。
彼女がどんな感情を抱こうとも、爪がコチョコチョと腹筋のあるあたりを貪れば、感情など関係なしに笑うしかなくなる。
このコチョコチョ地獄は、肉体のみならず、精神をも蝕む拷問なのだ。
「話す気になったら…いつでも言え」
もう一人の処置員が柚音の耳元にそう囁きながら、両手にオイルのような液体を塗り込む。
「それまでは…コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ…」
もう一人の処置員は、コチョコチョボイスを柚音の耳に注入しながら、柚音の両ワキを爪でこしょぐり出した。
「ぎょあっっ!!?それっっはっっ!!?っっひははははははははははははははははははははは!!くはっ!!かはっ!!?こしょばいこちょばぃぃぃっっ!!っっひひひひ!!言うな"っっ!!コチョコチョ言うなぁぁぁぁあはははははなはは!!!ワキもやめろぉぉぉぉぉぉ!!!!」
柚音の首がぐんと伸びて、柚音の口がぱくぱく動く。首には血管が浮いている。
まるで、溺れているようだ。
腋の下をくすぐる処置員は容赦なくそのくすぐったそうな爪の先で腋の下の薄い表皮を引っ掻きくすぐり、腹部をくすぐっている処置員は爪の先でしっかりと神経を捉えたままゴショゴショとくすぐり刺激を刻み込む。
ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ。
ゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショゴショ。
二十の指が、爪が、くすぐったい音を立てながら、神経にくすぐったい刺激を送り込む。
「わがっだ!!!ああああはははははははははははははは!!読むっ!!読むからっっ!!それっっそれ読むからぁぁぁぁぁあははははははははははははははははははははははははは!!!ぁぁぁぁあははははははははははははは!!!」
指先一つ。爪の先一つで、あの反抗的だった収監者──柚音が音を上げた。
柚音は息を切らしながら鉄の板に刻まれた分を繰り返し読み上げさせられた。
これでようやくこの胃の痛くなるような空間から離れられる。そう思った私がほっとしていると、なぜか隣でアヤがニヤニヤと笑っていた。
だいたい10回くらい読み上げたあと、二人の処置員は両手をオイルでびっしゃびしゃにすると、
柚音を挟み込むようにして立った。
「はぁはぁっ…なにやって…」
柚音が目を大きく剥いて恐ろしげに処置員の手を見つめる。
処置員二人は、片手をワキに、もう片方の手を脇腹に添える。
そして。
ゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョゴチョ!!!っとワキと脇腹を同時にくすぐり掻き回した。
「はっ!!?あっ!!?なんでっ!!?ぃぁぁぁぁぁぁあああはははははははははははははははははははははははは!!?いやっ!!いやっ!!!こちょばっ!!?っ!!?っっひははははははははははははははーっ!!?」
再び、柚音を壮絶なくすぐり地獄が襲う。
二人の処置員の細く長い長い指は、まるで独立した生き物の如く自由に滑らかに凶暴にコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ蠢いて爪の先で神経を掻きむしる。
「ぎぃぁぁぁぁああああああははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!っっひははははははははははははははははははははははははははははは!!!やめでっ!!!やめっ!!!きつい!!!きついきついきついぃぃぃぃぃぃ!!!」
柚音が狂ったように首を振って叫び散らす。唾液と汗と、皮膚に塗られた油が飛び散る。
もう笑いたくないと叫ぶ女囚を、二人の処置員の拷問指がさらに無理やり笑わせ続ける。
コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョと爪の先でこちょばぁい神経を蹂躙しながら。
「ぉぉぁぁぁぁぁあははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!?もうやめっっ!!やめぇぇぇぇへへへへへへははははははははははははははははははははははははは!!かはっ!!かはっ!!!」
疲れ知らずの指どもはその後、三十分近くも柚音をコチョコチョくすぐり苦しめ続けた。
"分からせ"が終わった頃、柚音は先程までとはすっかり別人で、運び出す際も一切の抵抗をしなかった。
仕事を終え、私が職員室に戻るなりアヤが私を呼んだ。
「ちょうどいい手本が現れた。脱走者がどうなるかを教えておく。こい」
アヤのあとをついて行く。
「こいつの資料を見ておけ」
アヤからファイルを手渡された。
またしても、女囚のプロフィールだ。
"大山 桃奈"
身長175cm
罪状: 六人の男女を太ももにより絞殺。
写真には、スタイルの良いアスリーティックな美女が映っている。ただし、右腕は刺青まみれだ。
アヤが地下に続く鉄のドアを開けた。
その次の瞬間──。
「ぎぃぁぁぁぁあああああははははははははははははははは!!ごめんなさいごめんなさい"!!もうやりまぜんっっ!!もう逃げまぜんがらぁぁぁぁぁぁあはははははははははははははははははは!!!」
耳を突くような絶叫が地下から流れ出て来た。
私は思わず、足を震わせてしまった。
「こっちだ」
アヤは構わず進み、鉄格子の前で立ち止まった。
錆びついた鉄格子の向こうには、一人の長身の女が壁に括り付けられていた。
壁と一体化した枷に両腕を拘束され、伸ばした両脚は数名の女たちによって取り押さえられている。
そして、その先──足裏には、ブラシが当てられ、ゴシゴシとその表皮を磨かれている。
足裏を磨く二人の女は無言のまま、ブラシを動かした赤黒く変色したヌルヌルテカテカの足裏を磨き抜いていた。
ガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュ!!!
「ぎぃぁぁぁああああああああああはははははははははははははははははははははは!!はっへへへへへへへ!!?やめでっっ!!ごめんなざぃっ!!ごめんなさぃっでばぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!足はっ!!足コチョコチョ無理ィィィィィ!!!」
必死になって叫んでいる女は、ファイルにある大山桃奈らしかった。
「あ、あれは…」
私は声を震わせてアヤを見た。
「脱走者の末路といったところだ。二度と逃げられないように…いや逃げようなんて思わないようにああやって足裏の神経をくすぐり壊す」
アヤは腕組みをし、面白いモノを見るような目で、真っ赤に染まった足裏に鋭いブラシの毛先が突き立てられてガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュ!!!っと磨き殺されている様を見つめていた。
「ぐぁぁぁぁぁあははははははははははははははははははは!!!あはは!?あははははははははははははははははは!!!もうっっ!!もう勘弁じでぇぇぇぇっっっ!!っっへへへへへははははははははははははははは!!!?」
六名の命を奪ったというムッチリした健康的な太ももを揺らし、刺青まみれの腕を震わせ、桃奈は喚いている。
爪に緑色のペディキュアを塗った長い足指が、くねくねと──嫌だ嫌だくすぐったいと言わんばかりにうねっている。
それでも、二人の処置員は手を緩めず、ブラシで丁寧に暴力的に足裏の表皮を磨き抜いている。
「ほぉら…トドメの頃合いだ」
アヤが不敵に笑うと、処置員の二人がブラシを捨てた。
そして、両手の指先にたっぷりのオイルを垂らすと、親指以外の爪を土踏まずに当てた。
「ぎぃぃぃっっ!!?ちょっっ!!!それはっっっ!!」
桃奈が声を裏返す。目からはじゅわりと涙が滲む。
だが桃奈の懇願が届くはずもなく、二人の処置員はこそばゆい神経の詰まった土踏まずを爪の先っちょたちでガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュ!!!っとスクラッチした。
「ひぃえっっ!!?ぃぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああはははははははははははははははははははははは!!?あああああああははははははははははははははははは!!!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅぅぅぅぅ!!!」
地獄の底から響くような桃奈の絶叫が地下室中に轟く。
腕に、腹筋部に、太ももに、びしびしっとスジが浮き立っている。
処置員のつるんつるんの爪の先が、くすぐったそぉなその爪の先が、足裏の土踏まずだけを焼くようにくすぐっていく。
ガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュ!!!
「いやぁぁぁぁぁぁあははははははははははははははははははははははははははは!!たすげでぇぇぇぇぇぇへへへへへはははははははははははははははははささはははははははははははははははははははははは!!?かはっ!!?あっっ!!?あっっ!!?」
近くに待機していた別の処置員たちが桃奈を押さえつけた。ただでさえ拘束されているのに、さらに身体の自由を奪われた桃奈は、暴れてくすぐったさを発散するという手段を封じられてしまった。
つまり、彼女はこの殺人的なくすぐったさをじっとしたまま受け入れないといけないのだ。
地獄である。
ガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュガシュ!!!
「はぁぁぁぁぁぁっ!!?っっはははははははははははは!!死ぬっ!!!死ぬ!!!!ちょっ!!?やめっっ!!?ぃぃぁぁぁぁぁあははははははははははははははははははははははははははははははははは!!やべでぐだざぃおねがいしまずぅぅぅぅぅぅ!!!」
桃奈の、ほとんど金切り声になっていた悲鳴はその後もしばらく轟き続けた。
徹底的に磨かれて、スクラッチされ続けた足裏は異様な紅紫色に変色し、足指は痙攣を繰り返していた。
気を失いぐったりとした桃奈は、職員数名がかりで運び出され、地下二階のとびきり分厚い鉄ドアの向こうへ消えた。
「あそこに入れられたら最後だ。あいつはもう…チャンスがないってことだな」
鉄ドアを見つめながら、先輩職員アヤはそう言った。