新築祝い ②
🕑 Added 2022-01-15 04:00:00 +0000 UTC
正確にいえば、備え付けのスピーカーから声が聞こえてきたので、どうやら物品化した後の意思疎通を、最近は頑張っているようだ。そのくらいの装置、詩音ならできても普通だろう。
ただ、今回聞こえてくるのは喘ぎ声のみ。
「やっぱり……机に化けてごまかそうとしたのね。私が言ったのはインテリアのテーブルよっ、誰が勉強机に化けろって言ったの!」
「はあんっ、やめてえっ……美織ちゃんのッ、中でかき回さないでぇっ……」
「いかがわしい言い方をするな! ……え? 感じてるの? まあ、元は人間だから、そこが女性器だったりするのかしら?」
誤解を招く言い方に、カチンときた美織は、鍵の開け閉めを早めてみた。本来鍵穴は壊れやすい。雑に扱うのは褒められたことではない。
しかし、友人が変身しているとなれば、美織に一切の躊躇はない。
事実、本気で快楽から逃げようとするように、無機質な机が、ほんのわずかに揺れる。
「んやああっ! あっ、らめっ! 美織ちゃんっ、らめっ、それほんとっ、あんっ、アアンッ!」
どこからどう見ても一般的な木製の勉強机。しかし、喘ぎ声だけがどんどん大きくなっていく。
「ひぎいっ⁉鍵穴の部分っ、私のおマンコになってるからあっ……うひゃああっ⁉
机のライト触っちゃらめええっ!」
「ねえ、ライトの部分は人間でいうどこなの?」
「く、クリトリスと乳首……んにゃああああ⁉ 美織ちゃんっせめちゃいやっ、やだあああっ♡♡♡」
「ふふん、敏感な部分が集まってるのか。ここがダメなのね……それえっ!」
「はあああんっ、おかしくなるぅっ♡♡♡」
声とともに、ガタガタと震える勉強机。
そして、それに呼応するように、机に対応している椅子にまで変化が生じてきた。
「あれ……椅子におマンコが生えてる。どしたのこれ」
「はあっ……はあっ……急いで変身したから……っ、まだ不完全で……んはあああっ⁉美織ちゃんっ!」
「なるほどねー。でもよかったわ。せっかくだし、きちんとイカせてあげたかったし」
イタズラっぽく笑う美織に、椅子に空いている穴がひくひくと応じる。
穴からはうっすらとみつが垂れていて、早く早くとせがんでいるようにも見えた。
これが学者たちの前ではクールな博士を気取っているのだから、驚きである。
「らめっ、いれないでっ、かきまわさないでっ! へんになっちゃうからああっ!」
「もともと変でしょ。いまにいたっては人間ですらないわ」
そういう美織は、しかし嬉しそうに、楽しそうに、机に対して頬ずりをする。全身が性感帯になっているのか、それだけで机は軽くはねた。
「いじわる、言わないでぇっ……わたしっ、アアンッ、もうっ……ダメェっ……イクっ、イッちゃううっ……んっ、ふぁああああっ……んあああああ⁉」
そしてこの日、美織は人類で初めて、机を絶頂させるという偉業を成し遂げた。
「んあっ、美織ちゃんっ、好きぃっ……」
「こらっ、抱き着くなっ。まったく」
机から人間の姿に戻った詩音は、久しぶりに感じた人はだがよっぽどうれしかったのか、美織の体に抱き着いて、猫のごとく匂いを擦り付けている。
このところ彼氏もいなかったそうなので、物寂しかったのだろう。美織としても、そこは理解できなくもない。モテ期というのはいつ現れるか分からないので、そこに関しては突っ込まない。
しかし、
「美織ちゃんっ、美織ちゃんにも気持ちよくなってほしいようっ……」
「あ、あんた何取り出してんの、いまから家具買いに行くんでしょ!」
「やだもんっ、美織ちゃんだけすっきりしないのだめっ」
詩音はどこからか取り出した小瓶の薬剤を、何の躊躇もなく飲み干し、
「んっ、ふぁああっ、ううっ……」
ビクンビクンと体を揺らしながら、またしても詩音の姿が変わり始める。
そして、
「バイプって……あんたねえ……」
これでも詩音は天才科学者なのである。世界が注目する世界最先端を行く天才なのである。
美織としては、彼女の背を追いかける科学者たちに憐みしか抱けない。
バイプというか、ディルドに近い。男性器を模したアダルドグッズだ。電動式のためにウインウインいうらしい。
「い、いれてよぅっ……いれて、一緒に気持ちよくなろうよぅっ……」
「……しゃあないわね」
さて、新築に響く声は、一人暮らしとは思えぬ優れた家により、防音としても最適である。
「んッ……ああっ……もうつ、どうして引っ越し祝いでオナニーしなくちゃいけないのよっ、アンッ……」
「ふぁあっ、美織ちゃんのなか、すごいのっ、いれてよっ、早く中につっこんでほしいようっ……」
「ほら、中に入りたいんでしょう?」
「うんっ、うんっ、はいりたいっ、入ってとろとろになりたいのっ、お願いっ……美織ちゃんの中にあたしを突っ込んで、無茶苦茶にしてえっ……!」
「はいはい……んっ」
美織が自分の秘所にディルドを突っ込むと、
「んあああっ、はいったっ、みおりちゃんのなかっ、あったかいようっ、ふぁああっ⁉」
「はああっ、あんっ、電源、入れるわよ……っ」
「らめえっ、それおしちゃらめえっ」
「ふうん。ダメなの。じゃあ、押すわね」
「ふぁあああっ! やめてっ、けいれん、とまらないのっ、だめっ、体中震えてだめっ、はあああっ、ふぁああああっ!」
「んっ、んああっ、んっ、ああ、ダメ、これダメっ、ほんとあんた、感度だけは優秀なアダルトグッズなのね……っ、そろそろイクから、ほんと、あんたもぐちょぐちょになりなさいっ」
「ふぁあああっ!だめ、あたしっ、んっ、んんんんんんっ⁉」
愛液をまき散らしつつ絶頂をむかえる美織、しかし、アダルドグッズは電動。
絶頂したから止まるとか、そういう仕様では断じてない。
「んっ、だめっ、美織ちゃんっ、スイッチ、切ってええっ……」
「んっ、だめっ、まだ、まだまだたのしませてもらうわよっ、んんっ……」
結局、新築の家が最初に汚れたのは、友人の愛液という少々ずれたものになったという。