ネコと彼女と発情期
🕑 Added 2020-09-19 01:36:53 +0000 UTC
「にゃっ!にゃぁ、にゃあああっ」
(気づいてよコウ君!私よ!ふぁあっ、そ、そんなところ触ったらぁ…)
「うーん、どっかで見たことありそうなんだけどなあ。お前、近所で飼われてたっけ?」
朝寝坊をして、学校に行くのをあきらめたコウは、のんびり日向ぼっこをしていた。
すると、どこからかふらふらと迷いネコがやってきたのである。
元々暇だったコウは、庭に迷い込んだ子猫を保護すると決めた。
そして、微妙に泥で汚れていた子猫をそのままにしておくのももどかしく。
向かった先は風呂場。
状況説明自体はこれで八割がた終了したと言ってもいい。
だが、それだけでは説明のつかないことがある。
「にゃあああんっ!にゃっ!にゃあああっ!」
(ふぁあああんっ!おなかさわっちゃだめえっ!)
「かわいい声で鳴くなあ。お風呂怖いかな。」
「にゃあっ、にゃああっ」
(ちがうの、わたしよ、さくらよ…)
強制的な四つん這いから、素手で体を洗われる。
「にゃ、にゃあ、にゃあああ・・・」
よつあしをぷるぷるさせながらも、必死に快楽と恥ずかしさに耐える子猫。
「にゃああ、にゃっ、ふにゃああっ//」
(コウ君が心配なだけだったのに…どうしてこんな…ふぁあああっ)
漏れ出る声すら猫の声の子猫。
彼女が先ほどまで人間だったと、誰が信じるというのだろうか。
「ふにゃああっ、にゃあああっ」
(そ、そこ、だめ、おっぱいにあたってるからぁ・・・)
「ん?気持ちいいか?もっとやってやるぞ、それそれ。」
「にゃんっ!にゃっ!?にゃああっ、にゃ、にゃああん・・・」
(そ、そんなことない!ふぁあっ、どこ触って…やだっ、つかんじゃ、あっ、あん…コウ君、ダメぇ…)
「尻尾もきれいにしてあげるからな。」
「にゃああっ!にゃっ!ふにゃあああっ!」
(っ!なにこれっ、だめ!変な感じになるからぁ!尻尾はダメっ!ダメェ…)
次第に子猫の前足は折りたたまれ、強制的にしゃがんだ姿勢になる。
「にゃあ、にゃああ、にゃっ・・・」
(だめなのに、恥ずかしいのに…体が、ほしがっちゃうよぉ…)
意図していたか、はたまた無意識か。
定かでなくとも結果として、子猫は人間でいうところの受け入れ準備を整えた形になる。
そして、動物の発情は、人間と違って制御がつかない。
「にゃあ…」
(はあっ、はあっダメ…もう、からだが、いうこときかない、コウ君…やめて…やあっ…もっとぉ…)
それを見た少年は、
「ああ、かわいいなあお前。もうちょっとで終わるからな。」
そのお湯にぬれたしっぽを、優しく握り、ほおずりした。
「みゃああっ、みゃあああっ」
甘えた声を出す。
「みゃっ、みゃあああっ」
(私は人間、で、でも、いまだけ、今回だけ、コウ君…お願いっ…!)
そして、その願いにこたえるように。
「みゃああああああっ!」
子猫の嬌声が風呂場に響き渡った。
「みゃああっ、にゃあっ、みゃあああっ!」
「おお、ここが気持ちいいか?」
「みゃあああっ、にゃああん・・・」
響き渡るはどこまでも猫の声。
されど、その内心は。
(あああんっ、ああっ、ふゃあっ、コウ君、そこダメっ、尻尾のところっ、つかんじゃだめえっ、あっ・・・そこも・・・ああん・・・してっ、もっともっと・・・)
「にゃあ、にゃんっにゃああん、にゃあっ・・・」
(そのしっぽぎゅってするのやだっ、ああっ、おかしくなるのっ、コウ君、コウ君…はああっ、やああんっ、)
「にゃあああんっ」
(あああんっ)
「にゃ…ニャア…」
(ダメ…わたしこのままじゃあ、本当の猫になっちゃうよぉぉ///)
好きな男に体を洗われて気持ちいい思いをする。
それがここまで幸せなことだろうとは、思いもしなかった。
だが、その、独り言。独り言のような泣き声に。
「大丈夫っすよセンパイ。ちゃんと後で戻しますから。」
(…え?)
驚いて顔をあげる子猫に、コウは、いたずらが成功したような笑みを浮かべた。
「ふにゃああっ、にゃあああっ!にゃああああっ!」
(はああああああっ!コウ君っだめえっ、はずかしいっ、ああんっ!)
「言っときますけど、何言ってるかは全く分かりませんし。猫にしたのは俺だけど、まあいいじゃないですか。」
要するに、さっきからすべてわかったうえで、子猫はもてあそばれていたのだ。
「にゃああっ、にゃっ!?ふにゃあああっ!」
(ふぁっ!?なにこれっ、ああっ、いくぅぅっ!ふぁあああああっ!)
子猫の鳴き声もここまでエロくなるんだなあと、コウはその時、また一つ賢くなった。
・・・
「コウ君の馬鹿。」
「あはは、ごめんなさいセンパイ。でも、なんか人が来る気がしたから、ネコ化の呪いを庭にかけてたら、案の定先輩が来るんですもん。そりゃあだれだって、いじくりまわしますって。
コウの膝の上に桜が座る。人間の姿だが、どちらにせよやることはあまり変わらないらしい。
「それはそうと。」
「ん?」
「また、子猫の姿でやりましょうね。」
「…バカ。」
そっぽを向く気まぐれな子猫の頭を、男は優しげになでるのだった